2009年11月24日

【DigraJ公開講座11月期】「ゲーム開発の歴史と現在・未来〜アマチュアゲーム開発から商業ゲーム開発まで〜」(11/27・金18:30-20:50)

11月の日本デジタルゲーム学会の公開講座では、
ゲーム開発技術の40年の歴史を広く捉えながら追って行きます。

技術者のみならず、ゲーム開発史に興味を持つ方全てが理解できるように
編成されていますので、是非、気軽にお越しください。

申し込みは以下のページから。
https://www.digrajapan.org/modules/eguide/event.php?eid=41
当日までに満席にならなければ当日席もあります。

4部構成なので、やむなく途中から来て頂く形でも構いません。
三宅が司会をしています。よろしくお願いします。

■内容詳細
 https://www.digrajapan.org/modules/eguide/event.php?eid=42

<概要>
■講師:
 武田寧(おにたま) (有限会社ツェナワークス技術開発責任者)
 水上恵太(クート代表)

■司会:
 三宅 陽一郎(株式会社フロム・ソフトウェア、DiGRA JAPAN 研究委員)

■タイトル:
「ゲーム開発の歴史と現在・未来
       〜アマチュアゲーム開発から商業ゲーム開発まで〜」

■タイムテーブル(予定)
70年代・80年代のゲーム開発環境について(武田)(30分)
80年代・90年代のゲーム開発環境について(水上)(30分)
休憩(10分)
00年代・現在の環境とHSP、プログラミング教育について(武田)(40分)
パネルディスカッション・質疑応答(武田・水上)(20分)


■開催日時:
2009年11月27日(金) 18:30開始 20:50終了
※受付開始時間は18:00からです。

■場所:
東京大学本郷キャンパス 山上会館2階 大会議室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01

posted by miyayou at 13:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2009年11月18日

IGDA日本Podcastラジオ始まる

IGDA日本から新しいメディア、podcast ラジオが始まりました! 犬
 http://igdaj-arg.blogspot.com/2009/11/podcast-arg.html

 第一弾は、今週開催されるセミナーの宣伝を兼ねたARGの紹介です。iモード
 (上記サイトにはYouTube 版も用意されています)

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<11月22日(日)>
IGDA日本 代替現実ゲーム専門部会 (SIG-ARG)
第1回研究会「ARG入門:体験型エンタテインメントの現在と未来」
http://www.igda.jp/modules/pico/index.php?content_id=13
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
ARG(代替現実ゲーム)という耳慣れない新しいジャンルを、対談形式で
分かりやすく解説した、内容になっています。演劇

そもそも、文字に起こす予定だったのですが、思い切って、
podcast で配信することになりました。 人の声というのは、
やはり力があって伝える力を持っているんだなあ、と思いました。三日月

編集により緩和されていますが、編集の懸命な努力により、
かろうじて人間が聴いてわかるレベルになっています。^^猫

興味を持たれましたら、是非、セミナーを利用してご学習ください。
またご都合が悪い方も、ARGについて学ばれる契機として頂ければと思います。野球

ブログなのに宣伝だけみたいになってすいません。失礼します。
posted by miyayou at 03:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年11月16日

代替現実ゲーム専門部会 (SIG-ARG)「ARG入門:体験型エンタテインメントの現在と未来」(11/22)

昔、小学校の校庭などで宝探しゲームをしたことがありますか?

校庭の何処かに宝物が隠してある、と思うだけで、
校庭は途端にわくわくするようなゲーム空間になってしまいました。
実際の宝物は他愛のないものでも、友人とあっちかな、こっちかな、と話ながら、
夕暮れ遅くまで探し続けた思い出がきっとあることでしょう。

そして最近は、最近の電子デバイスの発展は、デジタルワールドが現実をますます侵食して、
宝物は実はGPSと連動したデータであったり、
友人と言葉で話していたのがインターネット越しのチャットであったり掲示板であったりします。

ARGとは、そんな現実をゲーム空間に巻き込んだゲームのことを言います。

今回のセミナーは「ARG入門」と題して、この分野の入門から歴史のレビューまでを行ないます。
是非、連休の合間に、気軽にお越しください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<11月22日(日)>
IGDA日本 代替現実ゲーム専門部会 (SIG-ARG)
第1回研究会「ARG入門:体験型エンタテインメントの現在と未来」
http://www.igda.jp/modules/pico/index.php?content_id=13
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

IGDA日本(国際ゲーム開発者協会日本) 代替現実ゲーム専門部会(SIG-ARG)は、第1回
研究会「ARG入門:体験型エンタテインメントの現在と未来」を、2009年11月22日(日)に
開催いたします。

ARG (Alternate Reality Game; 代替現実ゲーム) は、アメリカを中心にここ数年で大き
く盛り上がってきている新しいストーリーテリング手法です。プレイヤー本人で参加する
ことや、複数のメディアを横断的に利用することなどが特徴とされていますが、まだ定義
すら定まっていない、大きな将来性を秘めたエンタテインメントです。

第1回研究会では、ARGに関して日本で有数の有識者の皆さまをお迎えして、ARGの現状と
日本における今後の可能性について論じます。また、日本独自のARGコンテンツと言える
「蓬莱学園」のようなメイルゲームが、参加型謎解きイベント「ミステリーナイト」が、
あるいは実世界宝探しの「赤い鳥」が、ARGというカテゴライズでマッシュアップされ、
議論される初の機会ともなります。

ARGの可能性は広大です。近年、デジタルゲームは将来的にその領域を現実世界に広げて
行くであろうとの言及がCEDECなど様々な場で為されていますが、デジタルゲームとARGの
融合は、その一つの未来のカタチかもしれません。

なお、SIG-ARG の重要な立ち位置は「娯楽を開発する」という立場を起点とすることです。
ARG は Halo シリーズのプロモーションに使われるなど、強力なマーケティング手法とし
ての側面がありますが、エンタテインメントの開発者という視点を忘れず、SIG-ARG なら
ではのセミナーを作っていければと考えております。

はじめての研究会となりますが、ARG 初心者の方から、ARG 開発を検討している方まで、
数多くの皆さまのご参加をお待ちしております。

研究会の詳細は: http://www.igda.jp/modules/pico/index.php?content_id=13

========================================================================
■名称  :IGDA日本SIG-ARG(代替現実ゲーム) 第1回研究会
          「ARG入門:体験型エンタテインメントの現在と未来」
■日時  :2009年11月22日(日)13:00-18:00(受付時間12:30-)
■場所  :文京学院大学 本郷キャンパス B館8Fウィングホール
■主催  :国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)  http://www.igda.jp/
■協力  :文京学院大学コンテンツ多言語知財化センター
■参加費:研究会のみ  1,500円
          研究会および懇親会の両方に参加  5,000円
■対象者:ARG に興味のある方ならどなたでも。
■定員  :定員120名

※当日飛び込み参加はできません。チケット持参者のみ、ご参加いただけます。
※チケット購入についての注意事項は案内ページをご覧下さい。
http://www.igda.jp/modules/pico/index.php?content_id=13

<プログラム>(予定)
13:00 - 13:05 文京学院大学  コンテンツ多言語知財化センター
              「本学  コンテンツ多言語知財化センターの取り組み」
13:05 - 13:15 ご挨拶(SIG-ARG 世話人 八重尾昌輝)
13:15 - 14:05 ARG概論(慶應義塾大学 武山政直教授)
14:15 - 15:05 海外事例紹介(株式会社メディアファクトリー 三原飛雄馬氏)
15:10 - 16:00 RYOMA the Secret Story 事例紹介(オフィス新大陸 坂本犬之介氏)
16:10 - 17:50 パネル「日本における体験型エンタテインメントの現在と未来」
              パネリスト(順不同):
                慶應義塾大学 武山政直教授
                株式会社メディアファクトリー プロデューサー 三原飛雄馬氏
                オフィス新大陸 代表 坂本犬之介氏
                小説家 新城カズマ氏(有限会社エルスウェア 代表 柳川房彦氏)
                RUSH JAPAN株式会社 取締役 安福久哲氏
                E-Pin企画 代表 城島和加乃氏
18:30 - 20:30 懇親会
========================================================================

□SIG-ARGとは

代替現実ゲーム専門部会 (SIG-ARG) はIGDA日本の専門部会の1つです。新しいエンタテイ
ンメントである ARG (Alternate Reality Game; 代替現実ゲーム) に着目し、ARG的な要
素を持つエンタテインメントの普及・啓蒙と分析・研究、及び、これらに興味がある方々
の交流の促進を目的として活動しています。

SIG-ARGとは: http://igdaj-arg.blogspot.com/2009/09/sig-arg.html

posted by miyayou at 12:19| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記

2009年10月22日

秋葉原ロケテゲームショウ(10/24(土))のポスターとtwitter公開!

今週、10月24日の土曜日は、
IGDA日本、SIG-INDIE(同人・インディーズゲーム専門部会)主催で、
秋葉原UDXにおいて、同人・インディーズゲームのイベントが行なわれます。

http://www.igda.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=159
詳しくは、このポスターで。入場無料!

twitter ハッシュタグ #akiba_locate
で、宣伝とか、出展者の声とか、参加者予定の声とか、あと、スタッフの叫びが聴こえます。


als1.JPG

posted by miyayou at 19:13 | TrackBack(0) | 日記

2009年10月16日

それ行け!ゲームたん!」第5回 「ピーターモリニューが語るエピソード型ゲーム製作」(3)

hayu02.png

 「それ行け!ゲームたん!」製作委員会より
[前回] http://blogai.igda.jp/article/32859757.html

皆様、こんにちは。「それ行け! ゲームたん!」は、
ゲーム業界における英語学習に一石を投げるために始めた、
ゲーム好きの、ゲーム好きのための、ゲーム好きによる英語学習サイトです。

アイデアは常にコメントやmixiで募集しています。よろしくお願いします。 


*   *   *
毎回、少しずつ学習しましょう。 今日は、前回に引き続きピーターモリニューのインタビューからです。彼が、Episodic game のアイデアを出してから、それを実現するまでの苦労について語ります。

 [引用元]
http://www.edge-online.com/features/interview-peter-molyneux

[今日の例文]

There are a lot of policy decisions to go through, and it's really great to have been through that process already and not be burdened with that for forthcoming titles without saying anything particular..


[表現解説]

forthcoming ... これからの
without saying anything particular ... 特に言うまでもなく
be burdened with〜 ... 〜に悩まされる

[翻訳]

やり遂げるためには、たくさんの政治的決定が必要です。しかし、既にこういったプロセスを経て、これからのタイトルには、そういったことにそれに悩まされることない、ということは、言うまでもなく本当に素晴らしいことです。

[参考]
「それ行け! ゲームたん!」学習委員会 in mixi (誰でも登録して参加できます)
http://mixi.jp/view_community.pl?id=3561629

[イラスト] 
武層

ファミコン以前が専門のクラシックゲームマニア(ライター)。
本職はwebデザイナー&イラストレーター。
サイトにも遊びに来てくださいませ。

http://www.cvs-odyssey.jp/
hayu_a04.png
posted by miyayou at 08:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年10月14日

「それ行け!ゲームたん!」第4回 「ピーターモリニューが語るエピソード型ゲーム製作」(2)

hayu04.png 「それ行け!ゲームたん!」製作委員会より
[前回] http://blogai.igda.jp/article/32859757.html

皆様、こんにちは。「それ行け! ゲームたん!」は、
ゲーム業界における英語学習に一石を投げるために始めた、
ゲーム好きの、ゲーム好きのための、ゲーム好きによる英語学習サイトです。

アイデアは常にコメントやmixiで募集しています。よろしくお願いします。 


*   *   *
毎回、少しずつ学習しましょう。 今日は、前回に引き続きピーターモリニューのインタビューから。

 [引用元]
http://www.edge-online.com/features/interview-peter-molyneux

[今日の例文]

Over the years I've done the demos and they've either completely ruined the game, given too much to the player, or they've confused people, so I should say that we should give away the very first 45 minutes of the game, completely free, and just before you get to Browerstone up comes this message saying, 'If you want to continue playing this game press this button, but if you want to buy the rest of the game, press this'.


[表現解説]

Over the years 一定の長い年月にわたって
either ... or .... 〜もまた

"comes this message" は、副詞句 Before you〜 のために倒置文になっている。
the rest of 〜 〜の残り


[翻訳]

長年に渡って、私はたくさんのデモを作り、ゲームを駄目にして来た。また、それは、プレイヤーに、あまりにたくさんの情報を与えすぎ、混乱させたのだ。 であるからして、私は、ゲームの最初の45分を無料で解放するべきだと思います。そして、Browerstone に到着する寸前に、このようなメッセージを表示させるのです。
「もしこのままゲームを続けたければこのボタンを押してください。或いは、
 このゲームの残りをお買い上げお希望される方は、こちらを押してください」

[参考]
「それ行け! ゲームたん!」学習委員会 in mixi (誰でも登録して参加できます)
http://mixi.jp/view_community.pl?id=3561629

[イラスト] 
武層

ファミコン以前が専門のクラシックゲームマニア(ライター)。
本職はwebデザイナー&イラストレーター。
サイトにも遊びに来てくださいませ。

http://www.cvs-odyssey.jp/
hayu_a02.png
posted by miyayou at 06:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2009年10月12日

「それ行け!ゲームたん!」第3回 「ピーターモリニューが語るエピソード型ゲーム製作」

hayu01.png  「それ行け!ゲームたん!」製作委員会より

皆様、こんにちは。「それ行け! ゲームたん!」は、
ゲーム業界における英語学習に一石を投げるために始めた、
ゲーム好きの、ゲーム好きのための、ゲーム好きによる英語学習サイトです。

なが〜い間、更新が途絶えていましたが、再開します。
進めながら、形を模索して行くので、どうか長い目でお付き合いください。

協力者も募集してます。最後に、mixi のコミュアドレスを上げておきます。
今は、最小限の情報だけで硬い感じですが、徐々に武層さんのイラストや皆様のアイデアを活用して、柔らかいコンテンツにして行ければと思います。アイデアは常にコメントやmixiで募集しています。よろしくお願いします。 
*   *   *
毎回、少しずつ学習しましょう。 今日は、ピーターモリニューのインタビューから。

 [引用元]
http://www.edge-online.com/features/interview-peter-molyneux

[今日の例文]
With the news that Lionhead is releasing Fable II in episodic form on Xbox Live today, we spoke to studio head Peter Molyneux about the decision to retool a nearly years-old game into a new form.

As Molyneux says, this is also an experiment in creating games designed from the bottom up to be episodic.


[表現解説]

With the news that〜 that以下という知らせを聞いて

from the bottom up〜  ボトムアップから〜
experiment in〜 〜の実験
episodic  エピソード配信【ゲーム専門用語】


[翻訳]

我々はつい最近のゲームを新しい形で再構成するという方針に対して、 スタジオヘッドのピーター・モリニューにインタビューすることにした。
モリニューが言うには、これは、ボトムアップからエピソード配信型にデザインするという、ゲーム制作の実験でもある。

[参考]
「それ行け! ゲームたん!」学習委員会 in mixi (誰でも登録して参加できます)
http://mixi.jp/view_community.pl?id=3561629

[イラスト] 
武層

ファミコン以前が専門のクラシックゲームマニア(ライター)。
本職はwebデザイナー&イラストレーター。
サイトにも遊びに来てくださいませ。

http://www.cvs-odyssey.jp/
 
hayu_a05.png


 

posted by miyayou at 14:07| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2009年10月03日

ゲームデザインの2つの捉え方

@

自分はゲームデザインパターンは、
アレグザンダーのパターンランゲージ(建築)や、
 http://ja.wikipedia.org/wiki/パタン・ランゲージ


GoF(ソフトウェアのデザインパターン)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/デザインパターン_(ソフトウェア)


の分類という観点から行なっています(どちらかと言うと前者なのですが)。

それは、

げーむ ぷれいあびりてぃー (ゲームデザインを考えるサイト)の
 http://d.hatena.ne.jp/playability/

asato さんの

 ゲームデザインパターンについて考えてみる
 
  http://d.hatena.ne.jp/playability/20090919/1253354079
  http://d.hatena.ne.jp/playability/20091001/1254406632

も同じ立場に立っていると思います。


A
そして、もう一つの観方もできると思います。

以前、ゲームデザインについて語られた講演で、
ゲームデザインの系譜を、生物の系統樹のような、ものだとして捉えていました。

系統樹
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%BB%E7%B5%B1%E6%A8%B9

つまり、いろいろなゲームデザインは、生成し進化し変化する過程の
ものであり、それが、さまざまな時代の環境に対応して変化・適応・進化して行く、
ものであるとして捉えることです。

とすれば、ゲームデザインの分類というものは、
リンネや植物学者、生物学者、進化学者がしているように、
種や属を分けているようなものなのかもしれません。

とすれば、こういったゲームデザインの分類というものは、
ゲームの進化の系統樹であり、
その変化は、その時代時代の環境によって、適用し、
進化して来たものの、分化と発展、進化の過程と見なすことができます。

*   *   *

とすれば、現在、世界的に加速しつつあるインディーズゲームなども、
インターネットの普及、同人ゲーム市場の発展、iPhone、
米の景気悪化による開発者の流動、といった環境の変化に対するゲームデザインの適応であり進化であります。

このように、ゲームデザインというものは、
様々な時代時代の環境によって分化と進化をくり返して来たものと捉えることもできるかと
思います。

こういった見方は何より、時代の社会的な変化と共にゲームデザインを語ることを
可能にします。

もちろん、それを根底で動かす力は、生物が生きようとする力のように、
ゲームを愛し作り続ける、或いは、ゲームで儲けたい(^^)という、
強い意思であると思います。

*   *   *

前者は、俯瞰かつ抽象的な超時間的な見方であり、
後者は、極めて生成的な見方です。

前者は、純粋に抽象的にゲームデザインを一般的に捉えることを可能にし、
後者は、時間的な系譜において他の諸々の現象と共にゲームデザインを捉えることを可能にします。

前者はこれまでとこれから作られるであろうゲームデザインに対して、その分類を可能にし、
後者は、ゲームデザインを時間に沿って発展・生成を辿ることを可能にします。

前者は、ゲームデザインを独立した離散的なものとみなし、
後者は、ゲームデザインを時間的に連続的なものとみなします。

もちろん、どちらが正しいというものでもなく
所詮、見方というもの自身が一つの方法論であって、
ゲームデザインは、この二つの両極的かつ相補的な見方によって、
探求して行くことができると思います。

長文、失礼しました。


[参考]
アレグザンダー「オレゴン大学の実験」「まちづくりの新しい理論」(SD選書)鹿島出版会

posted by miyayou at 02:52| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

Back to 1984、The First Procedural Game, ELITE の旅

[最初のプロシージャル・ゲーム = ELITE ]
エリートと言っても、HALOのクリーチャーや、XBOX360 の話ではありません。

Procedural Generation (自動生成) 
 http://en.wikipedia.org/wiki/Procedural_generation

 を使用したゲームで、グラフィクス自動生成で、最初の例として引き合いに出される、

Elite (1984年)
 http://en.wikipedia.org/wiki/Elite_(computer_game)

というゲームのことです。
The History of Elite (Gamasutra)
  http://www.gamasutra.com/view/feature/3983/the_history_of_elite_space_the_.php
  http://www.gamasutra.com/view/feature/3983/the_history_of_elite_space_the_.php?print=1

 残念ながら自分はプレイしたことがないです。でも、
プロシージャル技術を用いたゲームの草分けとして(海外では)広く知られた例であり、
日本では、あまり馴染みがないかもしれないので、ここで取り上げておくことにします。

*    *    *
An extreme case was Elite, which was originally planned to contain a total of 2^48
(approximately 282 trillion) galaxies with 256 solar systems each. The publisher, however, was afraid that such a gigantic universe would cause disbelief in players, and eight of these galaxies were chosen for the final version.[2] Other notable early examples include the 1985 game Rescue on Fractalus that used fractal technology to procedurally create in real time the craggy mountains of an alien planet and River Raid, the 1982 Activision game that used a pseudorandom number sequence generated by a linear feedback shift register in order to generate a scrolling maze of obstacles.http://en.wikipedia.org/wiki/Procedural_generation

Eliteには当初、256の太陽系を持った2の48乗(2.82兆)個の銀河が
含まれるはずであったが。しかし、そのような膨大な宇宙がプレイヤーに不信感を
あおることを怖れて、8個の銀河のみを最終バージョンに選び組み込んだのだった。
他に特筆するべき例としては、1985年に Rescue on Fractalus がフラクタル技術を用いて、
プロシージャルに、異性人の惑星のごつごつとした岩から出来た山脈を自動生成した。
1982年のアクティビジョンのRiver Raid は、シフトレジスタのリニアーフィードバック
による擬似乱数を用いて、障害物からなる迷路のスクロールを自動生成した。

*    *   *
ELITE は今年で25周年を迎えるので、大々的にキャンペーンが張られています。

開発者であり、コンピュータ・サイエンティストであるDavid Braben の映像インタビュー、
Twitter 上のインタビューとか、なかなか多彩です。My LIFE WITH ELITE というイベントも
行なわれるそうです。

フロンティア
 http://www.frontier.co.uk/

ELITE 25周年キャンペーンページ
 http://elite.frontier.co.uk/

*   *   *

Elite III: First Encounters 
 It was the first game to use procedural texturing to generate the vegetation, snow, etc. on the planet surfaces. Mountain ranges, cliffs, wonderful alien landscapes and atmospheric effects all contributed to the atmosphere of the game, and the coloured lighting from the redder stars gave some planets an eerie look. http://elite.frontier.co.uk/history

本作は、植物や雪といった、惑星表面を自動テクスチャリング生成した最初のゲームだった。
山脈、崖、驚異的な未知なる風景、大気の効果の全てがゲームの雰囲気を作り上げた…(略)。

*   *   *

MIGS: Far Cry 2's Guay On The Importance Of Procedural Content
 http://www.gamasutra.com/php-bin/news_index.php?story=21165

にも、Dominic Guay (FarCry2のProcedural Contents Generationの技術者、GDC2008で講演)
のコメントがあります。

*   *    *
Going back further to 1984, he praised "the granddaddy of space trading games," Ian Bell and David Braben's influential Elite. It consists of eight galaxies of 256 planets each, generated procedurally using data tables and "pseudo-random sequences" -- the code for which can today be downloaded via Bell's website.

256の銀河が、データテーブル擬似乱数列によって自動生成される。
コードがBellのウェブサイトにある(抄訳)

*   *   *
なんだって?

 The Elite Home Page
  http://www.iancgbell.clara.net/elite/

本当に、オリジナルソースが置いてありました。さすが、伝統を重んじ古きものを
大切にする英国。それを知って活用している Guay さんも凄いですが…。^^

オリジナルのソースはもちろんアセンブラですが、Cにリバースエンジニアリングされたコードと、
移植されたコードがあります。

以上、「Back to 1984、ELITE の旅」をお送りしました。まとまりがなくてすいません。
 


[参考] プロシージャル

CEDEC 2008 - コンピュータが知性でコンテンツを自動生成--プロシージャル技術とは(前編)(MyCOM)
 http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/10/08/cedec03/index.html

「プロシージャル技術の動向」セッションレポート
ゲーム開発で注目されつつある古今のプロシージャル生成研究事例を紹介(GameWatch)
 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080916/proc.htm

【CEDEC 2008】ゲーム開発のためのプロシージャル技術の応用(INSIDE GAMES)
 http://www.inside-games.jp/article/2008/09/11/31121.html

今給黎隆、プロシージャルグラフィックス
 http://cedec.cesa.or.jp/2008/archives/file/pg04.pdf

三宅陽一郎、ゲーム開発のためのプロシージャル技術の応用 (CEDEC2008)
 http://cedec.cesa.or.jp/2008/archives/file/pg03.pdf

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2009年09月30日

立命館大学のチーム、IEEE CIG2009 Ms Pac-Man Competiton 優勝、2K Bot Prize 準優勝

立命館大学のRuck THAWONMAS 教授の知能エンターテインメント研究室
 http://www.ice.ci.ritsumei.ac.jp/~ruck/index_j.html
 http://www.ice.ci.ritsumei.ac.jp/

は、IEEE CIG2009
 http://www.ieee-cig.org/conference-program/

で、開催された「ゲームAIコンテスト」、

 Ms Pac-Man Competiton
 http://cswww.essex.ac.uk/staff/sml/pacman/CIG2009Results.html

で、優勝されたようです。上記のサイトに、アルゴリズムの概要が書かれています。

ICE Pambush 3 (立命館大学 知能エンターテインメント研究室)
 http://cswww.essex.ac.uk/staff/sml/pacman/cig2009/ICEPambush3/ICE%20Pambush%203.pdf

全体として、
手堅く微調整の効いた計算量を減らした高速アルゴリズム(ダイクストラ距離計算のところ)
という印象を受けました。

@事前にダイクストラ距離(ネットワーク上の最短経路)を全てのノードのペア間で計算しておく。
Aゲーム開始時にそのファイルをロードする。
B9つのルール(記事に記載)に従って運動。

(注)Bの中で用いるA*探索が用いるコスト付き距離(Distance)は、
      2バージョンを、危機的状況か、平静状態かで、使い分ける。

      危機的状況の場合は、距離コストに敵コスト、コーナーのコストなどを加算する。
   また、10コーナー或いは交差点までの深さを探索する。
   平静状況の場合は、距離コストだけである。 5コーナー先までの深さ探索とする。 

   詳細な距離の定義は、記事の最後に記載

A Simple Tree Search Method for Playing Ms. Pac-Man
 http://cswww.essex.ac.uk/staff/sml/pacman/cig2009/Robles/CigPacTree2009.pdf

は、シンプルにゲームツリーを40デプスまでサーチしています。
*    *    *

擬人化FPSボット
 http://www.botprize.org/

は、バイオショックを作った2Kが主催する賞で、
Unreal Tournament 2004 のデスマッチ形式の対戦で、
人間らしいAIを評価するために、
チューリングテストを行います。

-----------------------------------------------
審査方法は、審査員2人が相手チーム対戦して、
相手チームが、

作成された2つのボットのチームか、
人間とボットの混成チームか、
人間2人からなるチームか、

かを判断します。これをくり返し行ないます。
最終的に、最も人間と間違われたボットを作った
チームが優勝となります。
-----------------------------------------------

これも上記の立命館のチームが準優勝しています。

2008年から行なわれており、
こちらは審査の対戦の映像があるからわかりやすいです。

 http://botprize.org/2008.html
posted by miyayou at 03:36| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記

2009年09月29日

ゲームデザイン・パターン(5):  2〜3つの属性を使い分けるパターン

ここでは属性を2、3つの限定していますが、
これは増えればいいというものではなく、
2つか、3つというのが、
最もプレイヤーが思考しやすくプレイしやすい数である。

2つだと思い切りの良さが必要となるゲームデザイン、つまり、
属性の切り替え操作となり、
3つだとそれなりの戦略性を持った思考ゲームとなります。

4つ以上というものは、単なる場合わけになりがちなので、
2と3がマジックナンバーだと考えます。

@リアルタイムに属性を切り替えてプレイするパターン。

(A)プレイヤーと敵に属性が仕込まれている。

斑鳩 
 http://www.treasure-inc.co.jp/products/lp/ika360/ikaruga360.html
[解説] 黒と白のパターンを切り替えて、吸収・攻撃を使い分ける。


グレート魔法大作戦
 http://www.8ing.net/prd/gmaho/game.html

[解説]エレメンタル効果=赤と青の属性があって、異属性が攻撃力2倍、同属性が半分。

   斑鳩ほど徹底して属性要素を使っていない。
   切り替えがチャージ方式。 - エレメンタル効果


シルエットミラージュ
 http://www.treasure-inc.co.jp/products/lp/silmila/sil_tit1.html
[解説]「シルエット」「ミラージュ」、2つの属性が存在し、さらに無属性がある。
    異属性の攻撃を受けると体力が、同属性の場合は攻撃力が減る。
    無属性の敵にはどちらも効かないので、無属性の攻撃を当てる必要がある。
    実質3つの属性を使いこなす。


ユニバーさるウォーズ
 http://www.famitsu.com/k_tai/news/1187862_1350.html
[解説] ぐー、ちょき、ぱー3属性の弾をお互いくり出しながら、
    衝突時に、それぞれの属性で、じゃまブロックが出現する。


デジタルインベーダー
 http://homepage3.nifty.com/lsigame/lsigame/dentaku/dentaku.htm
[解説] 電卓画面上で、右から迫る数字の列に、同じ数字を当てて対消滅させる。
    実質、数字の種類だけ、属性があると捉えるとこのパターンに属する。


(B)プレイヤーと環境に2つの属性が仕込まれている。

FLIPSIDE(インディーズ)
 http://runevision.com/multimedia/flipside/
[解説] 主人公は明るい性格と暗い性格を極端に持つ。マップに応じて、この2つを切り替えて、
    クリアする。ボタンを押すと、2Dマップ全体が裏返しになって、同じマップに明暗
    2つのバージョンが裏表に描かれている。例えば、高い崖は、明るい性格にして、
    高いジュンプ力で飛び越える、敵が来れば暗い面に切り替えて高い攻撃力で攻撃、。


磁界少年メットマグ
 http://www.square-enix.com/jp/archive/mettomagu/
[解説] マップに仕込まれたSN属性を、自身の磁石の属性を切り返ることで利用して、

    マップをクリアして行く。例えば、天上にSがあれば、Nにすることで張り付いて
    行くことが出来る。


沈黙の磁石
 http://awards.cesa.or.jp/prize/amateur/05.html
[解説] これも磁石のSNを使って、切り替えながらマップをクリアして行く。
     

A長いスパンで属性が決定されるパターン

FABLE
 http://www.xbox.com/JA-JP/games/f/fable/
[解説] 主人公が選択する選択によって、属性が積み重なって行く。
    それは主人公自体の姿や、周囲の人の反応に反映される。


[参考]
ゲームプレイではなく、、異なる属性を持つバージョンを、
パッケージとしてリリースするケースもある。

ポケットモンスター
http://www.pokemon.co.jp/

イナズマイレブン2
http://www.inazuma.jp/inazuma2/

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2009年09月28日

ゲームAIにおける4つの階層

ゲームAIには大切な4つの階層がある。

@ 時間の階層
A 場所の階層
B AIの構造的階層
C AIの意思決定の時間的階層

この4つを順番に説明する。皆様の開発の助けになれば幸いである。


@ 時間の階層

まずAIを作ろうとするとき、つまり、ユーザーにあるキャラクターなり、
機能を知的なものとして見せたいと思うとき、そのAIをユーザーに対して、
果たしてどれだけの時間、知的に見せたいのか(これをスコープ時間という)、
それが、3秒なのか、30秒なのか、3分なのか、で、必要な技術やレベルが
違って来る。まず、この点に注意して、自分が作ろうとするAIが、
どのような時間幅で、AIとして機能させたいかを考えてみよう。

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例えば、狭いマップの中で、戦闘をくり返すのであれば、
例えば、むかしの格闘ゲームであれば、3秒を一つの単位として、
戦闘を考えればよいだろう。
また、RPGなどの戦闘は平均3分だとしたら、その3分の間、
敵AIパーティをどう思考させてよいか考えてみる。
戦略ゲーム、Age of Empire なら、20分〜30分を考えて行かねばならない。

また、一つのゲームの中には、通常、多重にそういったサイクルが含まれており、
格闘ゲームでも、いつ休んだで体力を回復したり、パワーアップアイテムや酒とかを
飲むか、という戦術AIは、通常のアクションの上のロングレンジな階層がを持つAIである。

さらに、各AIのスコープ時間幅によって、使用する技術の適用の仕方も違って来る。
それが、反射型AIでよいのか、パターン分けAIでよいのか、FSMか、
プランニングか、ベイジアンネットワークか、逆に言えば、割り当てられる
計算時間によって使える技術も異なって来る。ここでは、
各時間幅に適した技術を分類することは避けるが、是非、そういった視点から、
AIを見るとよいだろう。例えば、FSM(有限状態マシン)やプランニングは、
どの階層にも使えるにしても、その単位となるのが、戦略なのか、戦術なのか、
アクションなのか、違って来る。


A場所の階層

AIの行動範囲が一体どれぐらいの広さで、複雑さを持つかによって、
「世界表現(AIが持つ場所データ)」の持ち方が違って来る。

例えば、単純な50m四方の空間であれば、AIは座標系だけを持っていればよい。
複雑な地形やダンジョンのような中な自由に動き回るとすれば、ナビゲーションのために、
ウェイポイントや、ナビゲーションメッシュからなるグラフを持っていけばならない。
さて、より広い範囲になれば、そういったナビゲーション・グラフを、階層的に
持っておく必要がある。例えば、ダンジョンの各部屋の代表点からなる上層グラフ、
そして、各代表点について各部屋ごとのナビゲーション・グラフなどである。

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[参考]
Damian Isla, "Dude, wheres my Warthog? From Pathfinding to General Spatial Competence"
 http://www.aiide.org/aiide2005/talks/isla.ppt

BAIの構造的階層

AIの思考の構造もまた複雑になればなるほど階層化が進行する。
階層化をすることによって、AIは、より高度な思考が実現する。
また、階層を分けることで、「思考(モジュール)を思考」できるようになり、
メタ的な思考の組み合わせが抽象的な思考を可能にするのである。

例えば、敵の位置を現在の情報から予測する思考と、
予測した情報から、自分の戦術プランを立てる思考は、
違った階層に属するはずである。

FSMやプランニングは、
階層型FSM(Hierarchial FSM)、階層型プランニング(Hierarchial Planning)と言って、
そういった階層化は既にデフォルトの技術として研究されている。
これからの複雑なゲームAIは、思考の階層化は避けて通れない道である。

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[参考] Bungie Publication
Damian Isla, "Managing Complexity in the Halo2 AI"
 http://www.gamasutra.com/gdc2005/features/20050311/isla_01.shtml

Hai Hoang, Stephen Lee-Urban, Héctor Muñoz-Avila,
"Hierarchical Plan Representations for Encoding Strategic Game AI",
AIIDE05
http://www.cse.lehigh.edu/~munoz/Publications/AIIDE05.pdf

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The Quake III Arena Bot
 J.M.P. van Waveren
   Master of Science thesis, Delft University of Technology, June 2001
   http://www.kbs.twi.tudelft.nl/Publications/MSc/2001-VanWaveren-MSc.html


C AIの意思決定の時間的階層

複雑な思考の構造を持つAIを持てば、思考が遅くなるというのは、よくある誤解である。
人間が行動な思考能力を持ちながら、反射的な行動も取れるように、
実際に動作する思考は、常に多層な時間モードを持っている。AIにおいても、
そういった機能を持つことが出来なければ、ゲームに対応することは出来ないだろう。

実際、向こう3分の行動計画を立てることが出来るAIが、自分のプランに従って、
行動プランをこなしているときに、突然の敵の攻撃に対応して隠れる、或いは、反撃する、
という、「プランニングと即応モード」の両極的な行動の実装は、
多様な時間幅に対応できるAIを作り出し、ユーザーに強いインパクトをもたらす。

また、そういったアクションAIでなくても、高度な問題を解くAIにおいて、
簡単な問題な、単純な思考で、難しい問題は、よく深い思考で解くような、
「階層的な思考システム」を持つことも、非常に有効である。

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[参考]
三宅陽一郎、「ゲームAI」、
デジタルコンテンツ制作の先端技術応用に関する調査研究報告書(2008年)、第3章
http://www.dcaj.org/report/2007/data/dc08_07.pdf

三宅陽一郎、「エージェント・アーキテクチャーから作るキャラクターAI」(CEDEC 2007)
CEDEC2007_R22_ymiyake_lecture.pdf
*   *   *

AIとは、
欧米的な言い方をすれば、与えられた時間と空間を自分のために征服する機能である、
東洋的な言い方をすれば、時間と空間と調和する生命だと捉えることが出来る。
どちらも同じことを言っている。

そして、
そういった時間と空間は、与えられた規模や複雑度に応じて、階層化して処理することで、
多様な多重性を持つAIが実現できるのである、

*   *   *

ゲームAIの基礎として頭の片隅に置いておいて頂ければ、
きっと皆様の開発に役立つことかと思います。長文、ご講読ありがとうございました。

posted by miyayou at 23:08| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

開発者にとって東京ゲームショウ、CEDECの意義

東京ゲームショウは、もちろん、最初の2日間はビジネスのために、後半2日間は、ゲームの好きなユーザーの皆様のために開催されているCESA主催のイベントだ。
CEDECは、ゲーム開発者向けのカンファレンスだが、参加費を払えば誰でも参加できる。

TGSは、TGSの中で溢れる膨大なデジタルゲームの情報の流れと、もう一つ、
開発者個人がそれぞれに持っている開発の知識や技術の情報、
この二つが化学反応を起こす機会である。

TGSは、3つのホールの中に、最新のゲーム情報が詰め込まれており、
その一つ一つが密度が濃く、インスピレーションに満ちている。
それは、目に見える表面に現れた情報だ。
一方で、開発者が持っている見えない情報もまた、総合すれば、
大きな深みと広がりを持っている膨大な情報である。
TGSは、この2つの情報の層が、最も刺激的にぶつかり合う場である。

そして、ぶつかり合うことで産まれる何かがとても大切だ。

CEDECはもっとわかりやすいが、開発者の情報と開発者の情報がぶつかり合う場である。
講演という目に見える形で現れる情報の下で、常に開発者個人の中で、その人が持つ
情報と、提供される情報がぶつかっているのだ。その化学反応から、新しい発想が生まれる。
パネルディスカッションや、ラウンドテーブルの活発な意見を見れば、もっと分かりやすい。

このように、この2つのイベントは、主催、講演者から参加者に情報が流れる一方向の
イベントではない。長い目で見れば、最も大切なのは、開発者それぞれが、その場へ自分を
投げ込むことで、自らを反応させ、アイデア、インスピレーションを得ることである。

そういった無形のものをこの2つのイベントは内包しており、
目に見える以上の価値を持っている。

そういったインスピレーションは再び、次のゲーム開発へ向けて織り込まれて行くだろう。
そう言った見えないものが、ゲームの歴史をつないで行くためには、大切なんだ。
posted by miyayou at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年09月26日

知性と情報の流れ、再構築された世界と世界そのもの

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我々の知覚している世界は、世界そのものではなく、
感覚諸機関から集められた情報が変形され、統合され、
再構築された世界であり、

その世界は、我々が知覚している時点で、無意識的な過程を通って
われわれの原初的な欲望に従って解釈され、変形され、
様々な意味が付与された世界である。

知性といった場合、普段我々が自分が考え、決定していると思っている
思考としての意識的な知性の他に、
それ以前の無意識な過程としての知性があるのである。

こういった無意識的な過程は、知性全体にとって足腰を為すものであり、
人間が意識することなく、3次元空間と時間を自覚し、この世界を移動し、
たくさんのものを使いこなし、多くの対象を差異化できるのは、
実にこの無意識的な過程によるのである。

それでは、こういった無意識的な過程の知性は、人工知能を作る上で、
何処に現れて来るかと言えば、

空間の認識であり、
対象物の差異化(タグ付け)であり、
取ることの出来る行動とその空間的範囲であり、

実に、AIのためのプリプロセス(事前解析による情報設計)こそが、
そういった過程の代替として機能しているのである。

さらに、こういった知性のミラミッド構造は、
人工知能の階層的な構造にも反映される。

以下は、

The Quake III Arena Bot
 J.M.P. van Waveren
   Master of Science thesis, Delft University of Technology, June 2001
   http://www.kbs.twi.tudelft.nl/Publications/MSc/2001-VanWaveren-MSc.html

で提示されたAIの階層構造である。下層が、Awareness (認識)システムであり、
上層へ行けば行くほど、思考的、社会的な層が積み上げられる。こういった、
レイヤー化された構造から創発されるシステムとして知性が定義される。

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矢印は情報の流れを表す。その流れが作る構造にも注意したい。


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posted by miyayou at 05:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2009年09月24日

ゲームデザインパターンC: 描いたものがゲーム内で道具になるパターン

「描いたものが描く」とは願望として普遍なものです。
デジタルゲームはそれを可能にしました。

最近では、ますます自由度の高い様々なインタフェースが、
「描く」というアクションをより豊かにしています。

このデザインパターンのカテゴリーとしては、より詳細に、

 (A)ラインで閉曲線を描いて敵を囲う「包囲系」
 (B)ラインを引いて、その上、或いは、それに沿って、AIを誘導する「誘導系」
 (C)描いたものがゲーム内で物理的オブジェクトとなる「具現化系」

に分類されます。
 


(A)包囲系

「リブルラブル」線を描いて敵やアイテムを囲みます。
 http://circle.zoome.jp/arcade/media/220

「loop」2001 shockwave.com (programming: ranjit bhatnagar)
  もうサイトにはないですが、zimmernmann の解説があります。
  http://www.ericzimmerman.com/texts/Iterative_Design.htm

「floats」閉曲線を自由に描いて同じ色のAIを大きくして行きます。
  http://ferryhalim.com/orisinal/g3/floats.htm

 
(B)誘導系

「TRACE」線を引いたり消したりして小人をゴールまで導く
 http://www.appbank.net/2008/10/26/iphone-application/863.php

「LineRider」プレイヤーが描いた線の上をライダーが辿っていく。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/Line_Rider
 http://linerider.com

「タッチ!カービィ」カービィがたどるラインを描く。
  http://www.nintendo.co.jp/ds/atkj/about/index.html

 「Snow Line」サンタさん誘導ゲーム
  http://freegame.i-love.cc/snow-line

 「Slider」お絵描き誘導ゲーム
  http://freegame.i-love.cc/games/0096.html

 
(C)具現系

「びっくりマウス」 描くものがオブジェクトへ変化する「ワザペン」システム
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000531/scei.htm

「ラクガキ王国」2Dで描いた図形が3次元に起こされてアニメーションする。
 http://www.garakuta-studio.com/index2.html

「パックピクス」即興お絵描きでパターン認識。ユーザーが描いた絵がパックマンになる!
 http://www.bandainamcogames.co.jp/cs/list/pac-pix/index.php

「クレヨン・フィジックス」描いたものがゲーム内の物理的オブジェクトになる。
 http://www.crayonphysics.com/
     
「Princess Drawing」マウスで描いた図形で攻撃や防御を行う
 http://www.4gamer.net/games/040/G004096/20090916024/
     
「CHALK」限られた量のチョークで線を描いて敵を撃退する
 http://www.4gamer.net/games/040/G004096/20081217032/     


[参考]
以下のゲームでは、
描いたものが直接、ゲーム内で力を持つわけではないが、
パターンを描いて認証させることで、力が発動する。

大神
http://www.capcom.co.jp/o-kami/
  
ロストマジック
 http://www.lostmagic.net/

タクトオブマジック
 http://www.nintendo.co.jp/wii/rosj/magic/index.html

posted by miyayou at 22:28| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2009年09月20日

プロシージャル・テクスチャリングでアート作品を作る

 ppt_00.JPG
テクスチャをプロシージャルに作成するには、多くの手法があります。
ここでは

 Game Programming Gems Vol.1
 4.1 フラクタル地形形成 - 断層形成

で紹介されていたを手法の実装結果を紹介します。
ppt_01.JPG

このアルゴリズムは、ハイトマップを対象とします。
(高さマップ、ここでは各ピクセルに実数が割り当てられている程度の意味)

@ フィールドに直線を引く。
A 直線の一方に、dHeight を加算して行く。

 (dHeight:加算する高さの値)

  = (オフセット値:定数) +
   (i:イテレーション番号)*(適当に決めた値:定数)/ (全印手レーション回数:定数)

B @〜Aをくり返す。このくり返し回数の番号がイテレーション番号。
以上の単純なアルゴリズムです。
ppt_02.JPG

Aのが、だんだんとスケーリングされて小さくなって行くので、フラクタルと筆者は言っているのか、
或いは、断片=フラクタル、という原義なのか、定かではありません。

調整パラメーターは、上記に挙げた定数と、イテレーション回数、そして、
ハイトマップ値の色の分配で模様が決まります。

ppt_03.JPG
ppt_04.JPG
ppt_05.JPG

ハイトマップとして捉えると、色の濃い部分が高い部分、薄い部分が低い部分です。
或いは、その逆に解釈して、ポリゴンマップに落とすことも可能です。

イテレーションを重ねて行けば、だんだんと分解能が細かくなって行って、
それなりに使えそうな地形マップが出来て来ます。
それでも、最初の断層の跡が残っているのが特徴です。
加算する高さによっては、よりはっきりと初期断層跡を残すことが出来るでしょう。 
ppt_06.JPG

ppt_08.JPG
もちろん、様々な解釈で、自由なテクスチャを作ることができます。

今回は、スムージングは、最終的な過程で各ピクセルの周囲の8ピクセルを
加算平均しているだけなので、よりくっきりと残ってしまっているので、よりぼかし方を
工夫すれば、自然に見えるようになるはずかと思います。


一定以上の濃さの部分を白、以下を青とすると、雲テクスチャらしいものも、
出来て来ます。
ppt_07.JPG

 サンプルコードを置いておきます。ハイトマップのプロシージャル生成のクラスだけです。
CELL の各値を、ピクセルのカラーとして出力する、
或いはポリゴンの各座標(代表点だけでもよい)として出力するようなコードに組み込むと、
よいかと思います。

RandomMap.h
RandomMap.cpp
posted by miyayou at 16:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

SIG-eSports #5 行ってきました

SIG-eSports #5 行ってきました…のは、僕ではなく、マイミクさんなのですが、
無理を言って、レポートをこちらに掲載させて頂くことにしました。ありがとうございます!


 sig_indie_#5.jpg

#SIG-eSports #5 レポート

第5回IGDA日本デジタルゲーム競技研究会
「ゲーミングデバイスが切り開く新たなゲームエクスペリエンス」
行ってきました。

前回から洗足のカフェに会場が変わったんですね、目黒から東急目黒線で10分くらいです。

講演はアットホームな雰囲気で始まりました。
※会場は普通のカフェなのでスピーカーとの距離が凄く近いです。

ゲームとゲーミングデバイスの関わりを、マイコンが活躍していた時代から解説され、最後の方にはサビタイジングの話や、ダグラス・エンゲルバートさんの話まで発展していきました。

スピーカーの梅村さんは、ゲームとゲーミングデバイス、コンピュータとインターフェイスデバイスの付いてよく考えられておられ、引用された言葉の「小説を自動生成するコンピュータを作るよりも、鉛筆を改良する為にコンピュータを使うべきだ(確かこんな内容でした)」という部分が印象的でした。※その方がより多くのよい小説が世の中に生まれる事になると言う話です。

 
                                  (itohtak さん) 
                                 すぺしゃる・さんくす
posted by miyayou at 13:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年09月19日

ゲームデザインパターン: あいまいさを題材にするゲーム

ゲームと言えば、数字・記号に基づくルールが全体だという気がするが、
実はそれだけではない。人間が持つ記憶、イメージ、人間が創造する造形物を
題材として取り込んだ一群のゲームが存在する。

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例えば、今年フランスのゲーム大賞を獲得した「dixit」
 http://gioco.sytes.net/dixit.htm

@ このゲームは、まず、プレイヤーがそれぞれ絵が描かれたカードを持ち、
  親になった人は、自由な「お題」を言う。
A 子は、親が言った言葉を想起させるようなカードを出す。
B 親は、そのカードを(裏向きに)集めて、自分も一枚のカードを含めて
  シャッフルして場に並べる。
C 子は、親のカードだと思うものに、自分の駒を置く。
D 子の全員が親のカードを当て場合、或いは誰も当てなかった場合、親は零点。
  子は得点。子の何人かが当てた、場合は、親と子に点数が入る。

つまり、親は、自分の持っている絵カードから適当なお題を言って、
適当な人数の人間に当てさせる必要があるのである。

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(このときのお題は「偽り」だったかな?)

或いは、「たほいや」
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9F%E3%81%BB%E3%81%84%E3%82%84

これは、dixit を言葉に置き換えたデザインと言ってよいかもしれない。

@親はまず、国語辞典から、皆が知ってなさそうな言葉を選ぶ。
Aその言葉の意味を、子は、推測して紙に書いて親に渡す。
B親はそれをシャッフルして並べて、子は正しいと思うものにチップをかける。

と言った具合である。

或いは、「バルバロッサ」
 http://www.ne.jp/asahi/sealion/penguin/game/ga_board_barba.htm

このゲームはもう少し戦略的だ。

@まず、ゲームの最初に、各プレイヤーは粘土で形状を作る。
A盤上の駒をサイコロで進めて「?」の部屋へ来たら、
 他のプレイヤーにそのプレイヤーの粘土細工について質問ができる。
B第一段階:聞かれたプレイヤーは「はい」「いいえ」で質問に答える。
 第二段階:第一段階をくり返すか、粘土細工が何を作ったか紙に書いて打診する。
      正解から、そのプレイヤーと当たられたプレイヤーは、
      得点の数だけ駒を進める

序盤、終盤で当てられた場合、逆に当たられた方は点数を奪われる。
できるだけ中盤で当てられるように、それとなく似ている感じで、
複数に取れる粘土細工を作るのがコツだ。

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或いは、「グラフィティ」
 http://www.shin-tairiku.com/000-099/051_graffiti.html

は、もっと簡単。

@ 親がカードを引いて「お題」が決まります。これは親以外の子だけが見ます。
A 子は、自分のボードにお題に沿った絵を描きます。絵はシャッフルして、
  机の上に置く。
B 親はそれを見て、お題をあてます。1回で当てると2点。2,3回目だと1点。
C 親は、その絵の中から最優秀な絵を決める。その絵の人は2点。
D 親は、それぞれの絵をその作者と思われる人に返却。見事、会っていたら1点。
  外れたら、子の方が1点。
E 親を交代。

という感じです。


このように、あいまいさを題材にするゲームは、お題あてゲーム、或いは、
お題から逆に図柄や造形を当てるゲームのデザインとなっています。

こういったゲームは勝敗そのものより、その場の雰囲気やコミュニケーション、
友人の思わぬ側面やイマジネーションなど、日常では知りえない側面を
知ると言う楽しみがあります。

言葉によって各人が想起するものが違うなど、人間のあいまいさを楽しむゲームは、
人間の個性の違いを楽しむゲームでもあるのです。教育上も非常に素晴らしいものです。

或いは、「汝は人狼なりや?」(通称、人狼)
 http://jinrou.dip.jp/~jinrou/pukiwiki/index.php?%A5%B2%A1%BC%A5%E0%A4%CE%B4%F0%CB%DC%A5%EB%A1%BC%A5%EB

は、何の道具立てもなしに、プレイヤーの中にいる狼4人を捜し当てるゲームですが、
疑心暗鬼の情報戦として、今でもプレイされ続けています。
一度体験した人は、背筋がぞくっとする感じがするほど、人間性に分け入ったゲームです。
こういったゲームは忘れられることはありません。

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(IGDA日本 SIG-Boardagme の第2回交流会で、30人で人狼をプレイしました。楽しかったですね。)

 
※ まだ、こんなゲームもあるよー、という方は気軽にコメントください。匿名でも大丈夫です。
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ゲームデザインパターン: 少数の規則によって場が秩序を持っているゲーム

ボードゲームでは、手札からプレイ札を置くプレイヤーが囲む空間を「場」という。
麻雀などを想起して頂ければ、捨牌を置く場所が「場」だ。
少数ながら、場そのものに自律的な秩序が存在するゲームが存在する。

もちろん、ボードゲームの盤上は、ルールが存在するわけだが、
ここに上げるゲームデザインパターンは、
場がある単一の原理によって、一貫して秩序付けられているパターンである。

game_field.JPG

例えば、6二ムトというゲームでは、一斉のせいで出したプレイヤーのカードを
ある秩序に従って並べる。場に出された最も小さなカードから、それが一番、
近い数字の列に並べる、ということを行なう。これは、いわば場の秩序が、
完全に出された手をコントロールする。

6二ムト
 http://www.geocities.co.jp/Playtown-Darts/6878/bgeme/bgeme2.html

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或いは、

ラミーキューブ
 http://www.ne.jp/asahi/sealion/penguin/game/ga_board_rummy.htm

というゲームは、各プレイヤーは必ず、手持の数字の中から、場のカードが
「同じ色の数字の3つ以上の連番」「異色だが同じ数字3枚以上」という規則を、
如何なる場合でも守らなければならない。その場の厳しい規則が、
プレイヤーの手を制限すると同時に、複数の選択肢を与えている。

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或いは、2002年、ドイツゲーム大賞に輝いた 

ヴィラ・パレッティ
 http://www.mobius-games.co.jp/Zoch/VillaPaletti.htm

は、自分の色の柱を取って、上の段へ、柱と板のバランスを取りながら、
構築して行くゲームだ。この場合、規則は重力であって、
バランスという物理をゲームルールに取り込んだ上で、
戦略ゲームとして成立させた面白いゲームだ。

このように、場に明確な自律的秩序があるゲームは、対人の要素より、
場とプレイヤーが対峙するというゲーム感覚が強くなる。
ラミーキューブにしろ、ヴィラ・パレッティにせよ、目の前にある場に
対して、自分が一体どのような戦略を取るかがゲームの主要なポイントとなるのである。

 
※ まだ、こんなゲームもあるよー、という方は気軽にコメントください。匿名でも大丈夫です。
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2009年09月18日

ゲームデザインパターン: 過去の自分と協力プレイ

久しぶりにゲームデザインパターンをまとめました。参考になれば幸いです。

まだ、こういうのもあるよ! という方は、コメントに書き込んでください。
できるだけ詳しく。簡単でもOK!匿名でもOK! 猫

SIG-INDIE のメンバーにも手伝ってもらったので、みんなで作ったリストです。 犬
 

@ゲームデザインパターン: 過去の自分と協力プレイ

ロットロット(時間差カーソル)
 http://famicon.s348.xrea.com/entries/19851221_lotlot/
 http://ja.wikipedia.org/wiki/ロットロット

超思考型新頭脳挑戦ゲーム 頭脳4989(ミサイルと自機をある規則に従って操る)
 http://www.remus.dti.ne.jp/~haruyuki/PC-6001/4989/index.html

Cursor*10 (nekogames,フリーゲーム) (過去の自分と協力プレイ)
 http://www.nekogames.jp/mt/2008/01/cursor10.html

プリズマティカリゼーション(アドベンチャー。記録と解放によって謎を解いて行く)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/Prismaticallization
 http://www.success-corp.co.jp/software/sl/prisma/

Braid (時間巻き戻し機能によって、自分の多重プレイでステージを解く) 
 http://www.xbox.com/ja-JP/games/b/braidxboxlivearcade/

己の信ずる道を征け
 http://www.oreike.net/

時限回廊
 http://www.4gamer.net/games/097/G009748/20090907022/

------------------------------------------------------
[参考] ゲームデザインパターン: 時間を操るパターン

ブリンクス・タイム・スイーパー(アイテムを貯めて巻き戻し)
 http://www.xbox.com/ja-JP/games/b/blinx/

ビューティフルジョー(時間を部分的に操作して(VFXパワー)、オブジェクトの動作を変える)
 http://www.capcom.co.jp/vj/

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2009年09月16日

CIG2009 : IEEE Symposiumu on Computational Intelligence and Games 開催

2009年9月7〜10日に、イタリアのミラノで

CIG2009
IEEE Symposiumu on Computational Intelligence and Games

が開催されました。このシンポジウムは、ゲームAIをテーマにしたIEEEの
シンポジウムです。

http://www.ieee-cig.org/conference-program/

プログラムが公開されていますので、そこから内容を推測してみると、
なかなか充実したものであったようです。

まず、プログラムの分類も秀逸です。

Session 1: Theory and Techniques
Session 2: Board Games and Card Games
Session 3: Ms Pac-Man, Super Mario and Car Racing
Session 4: Theory
Session 5: Modeling
Session 6: Simulated Car Racing
Session 7: First Person Shooters
Session 8: Planning
Session 9: Evolution

前半が基礎、そして現在、最後にこれからの仕事、という流れになっています。
基調講演というかチュートリアル講演は、

Kenneth O. Stanley
Tutorial 1: Kenneth O. Stanley Practical Issues in Evolving Neural Network Controllers for Video Game Agents

で、これはゲームAI連続セミナーで紹介した(以下、資料です)、
IGDA_AI_Semi_5th_2007Nov.zip

ニューラルネットワークを使った
FPSエージェント「NEAT」を研究していた、

Kenneth O. Stanley
 http://www.cs.ucf.edu/~kstanley/

さんの講演ですね。
一般講演でも、
 
「トゥームレイダー」を題材にしたり、
  Anders Drachen, Alessandro Canossa and Georgios Yannakakis. Player Modeling using Self-Organization in Tomb Raider: Underworld

「マジック・ザ・ギャザリング」とモンテカルロ探索を題材にしたり
  Colin Ward and Peter Cowling. Monte Carlo Search Applied to Card Selection in Magic: The Gathering

「スーパーマリオ」を題材にしたり、
  Chris Pedersen, Julian Togelius and Georgios Yannakakis. Modeling Player Experience in Super Mario Bros

「ミズパックマン」「パックマン」を題材にしたり、
  Lori DeLooze and Wesley Viner. Fuzzy Q-Learning in a Nondeterministic Environment: Developing an Intelligent Ms. Pac-Man Agent

  Ben Cowley, Darryl Charles, Michaela Black and Ray Hickey. Analyzing Player Behavior in Pacman using Feature-driven Decision Theoretic Predictive Modeling

FPSのエージェントに注目したり、
  Raul Arrabales, Agapito Ledezma and Araceli Sanchis. Towards Conscious-like Behavior in Computer Game Characters

テトリスのAIをテーマにしたり、と。
  Amine Boumaza. On the evolution of artificial Tetris players

新しい流れを感じますね。
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2009年09月15日

GoogleでARG開始なの!?

ARG とは、「Alternate Reality Game = 代替現実ゲーム」のことであり、
現実世界をゲームステージ、或いは、
現実とデジタル空間を含めた空間をゲームステージとして成立するゲームのことだ。
一番簡単なのは、宝探しゲーム、
或いは、海に手紙を込めた瓶を流してメッセージを送ったり、
風船に手紙をつけて飛ばしたり、ある特定の場所にメッセージを隠したり、
現実をハックする手段が一つでも含まれていればARGと言える。

例えば、

デジタルゲームの中で、リアルな電話番号が出て来てヒントを貰うのもARGと言えるし、
まあ、これは原理的な話なので、デジタルゲームと同じように、
「よくぞこういった現実の装置を使って面白いゲームを作り上げたねえ」というゲームが
ARGゲームの代表だったりする。

 このあたりのことは、9月7日に立ち上がったばかりの、IGDA日本 SIG-ARG ブログ、
通称「ARG情報局」に詳しい。

 ARG情報局
  http://igdaj-arg.blogspot.com/

 Twitter も用意されています。


さて、ここで最近、話題になっているのが、Google が仕掛けているというARGだ。

 GoogleでARG開始!?
   http://igdaj-arg.blogspot.com/2009/09/googlearg.html

なんでも、Google のトップページや、Google のTwitterでヒントが撒かれているらしく、
Twitter で囁かれた暗号は、解読され、どうやら、地球上のある地点と、
HGウエルズに関した日付(9月21日の誕生日か?)が、関連しているらしい。

あくまで推測です。

世界各国の Google のサイトにもヒントがあるらしく、Google Koreaは
「キーワードは小説、ミステリー、透明」というヒントを出していたそうです。

ARGは、よくゲーム、映画、商品のプロモーションに使われるので、
オチとしては、そういった何かの発売日や解禁日だったりするかもしれませんが、
Google がやっている、というのと、世界規模ということで、注目を集めています。

新しいプロモーションの仕方を模索しているのかもしれません。
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2009年09月14日

シリアスゲームのもう一つの意味

シリアスゲームのもう一つの意味は、
ゲームによって現実をゲームとして切り取ること。

最も平凡な意味は、現実で既に切り取られている現実を
ゲームにすること。

例えば、スポーツ、例えば、囲碁、将棋、例えば、交通、
例えば、株式。

しかし、もっとも詩的な意味として、
それこそ、真にゲームの存在する理由として、

それをゲームにすることによって、
初めて気付く現実の側面をゲームにすること、
ゲームによって逆に初めて現実のゲーム的な意味に気付くこと、

それが、もう一つのシリアスゲームであり、
ゲームが認識の道具として役立つ瞬間である。
posted by miyayou at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年09月09日

Japan Game Convention 2009 レポート

9月6日(日)、横浜プリンスホテルで4日から3日間、開催されている、

Japan
 http://www.arclight.co.jp/jgc/

に参加した。
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どんなイベントかなあ、とわからなかったので
尻込みしていたので、とりあえず、行ってみることにした。

会場はホテルの4Fを貸しきって行われていた。
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TRPGがメインのイベントという印象。

 SNE http://www.groupsne.co.jp/
 F.E.A.R. http://www.fear.co.jp/

といった有名TRPGの企業がトークショーを開いており、
超満員だった。

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とてもコンベンションらしい。
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泊り込みのイベントらしく、延べ1200名ほどを数える。
そういう方には、TRPG用のスペースがある。

当日参加者は、トークショーか物販スペースだが、
自分は、TRPGが不案内なため、
物販ブースで、TRPGの説明を受けたり、
ボードゲームの試遊びを見学していた。

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どちらかというと、ボードゲーム派の自分は、
ボードゲームが遊べるスペースがあればよいかな、と思った。

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17時過ぎから閉会式。さすがTRPG業界。
みんな口達者で、面白いことを次々と言っていた。

コスプレ(スターウォーズ)姿の先生を中心に
盛り上がっていた。「来年も開催するぞー」「おー」

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凄い熱気だった。著名人も集まっていた。
TRPGが確かに息づいているのを感じた。
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2009年09月07日

CEDEC2009 レポート一日目

9時に新宿、新宿湘南ライン40分ほどで横浜、そこからみなとみらい線で5分ぐらいで、
みなとみらい駅。中途半端な時間のせいで、人もまばら。

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今日が開催日だったか不安になる。エスカレーターを登り切って、会議場へ。
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「CEDEC2009 9月1日〜3日」の文字を見てほっとする。
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講師控え室へ。
講師控え室からの眺め。PPTを直前まで準備する。
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1コマ目。
講演。

「ゲーム開発技術の歴史を編纂する」
 http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1040.html

AI・プロシージャル講演シリーズ
 http://blogai.igda.jp/article/31493508.html
の最初の講演になります。

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前半は、須藤氏からDCAJの報告書について解説。
後半は、三宅からこれからのゲームAIについての概念の解説。

バイオフォリアは人が持つ生命への嗜好。
その嗜好は、ゲームメディアの中でも、再現する。
生命嗜好はあらゆるデザインで現れ、
AIでも、あらゆる人間関係の再現として現れる。

ゲームAIの歴史は、パターン、アルゴリズム、構造化、
エージェント・アーキテクチャとして構成されて来たが、
これからは、生態学的に世界に根を張ったAIの実現が模索される。

アフォーダンスは、AIが世界に「住み着く」ための概念で、
その空間で許容される人の行動のことである。
その集合は、人間では無意識に獲得されるが、
AIの場合、その情報を与える必要がある。

環世界は、生物が主観的に構成する世界。
生物の世界の認識の原型は、
知覚器官(認識する)と作用器官(認識したものに作用する)のよる
客体の把握であるとする。
これらが多重に重なることで、客体の総合は環世界として構成され、
世界から切り取られることになる。

それは、生物にとって最初の世界との結びつきであり、
あらゆる生物の世界の結び付きの形式。
そして、その上に、高く知的機能が構築されて行くことになる。

[参考]【CEDEC 2009】ゲームは生物学的AIの時代へ,フロムの三宅氏が解説
    http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090902/178281/
     (Nikkei Tech-on (ログインが必要))
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2コマ目
「ゲームのお仕事」(学生版CECEC)の方を見学。

ディレクションのお仕事「ゲーム開発の分業と協調」
 http://cedec.cesa.or.jp/oshigoto/contents/prg/o04.html

プログラマー、デザイナー、ディレクター各職種の講演のみならず、
職種間の連携に焦点をあてた、特異な講演でした。
十分に準備され、資料も入念に準備された、素晴らしくよくまとまった講演でした。

やや欠け月 半月 三日月
3コマ目

Mixing character animation and physics with morphemeNaturalMotion Inc.
 http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/pr-session.html

プロシージャル・アニメーション。GDCでも同様の講演があったが、もう一度拝聴。
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4コマ目

工学としての AI、理学としての AI --- RoboCup を題材として ---
 http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1093.html

1992年以来のロボカップサッカーの歴史を解説。
シミュレーション・リーグの創設と、その仕様を解説。
ロボカップサッカーの歴史は、サッカーの歴史にも似ている。
フォーメーションや戦略が、
シミュレーションチームの開発者によって発展して行く。
GP(Genetic Programming、遺伝的プログラミング)による進化の研究でも、
団子状態からフォーメーションへと発展して行く。
サッカーの発展の歴史という現象が、ミクロで再現されるのが興味深い。

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また、人工知能を作るということは、同時に知能自身を知っていく過程を含むことであり、
人工知能では理学と工学が不可分なものとして存在することを説明した。

[参考]【CEDEC 2009】RoboCupは人間のサッカーの歴史をなぞっている
    http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090902/178297/
      (Nikkei Tech-on (ログインが必要))

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5コマ目

ゲームAIにおける産学連携戦略の10年
 http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1044.html

10年前、欧米にゲーム業界の産学連携は難題であった。
しかし、必要だと思い立ったら、とことんまでやってしまうのが、米の文化なのか。
豪華客船に3日間、産学の関係者を閉じ込めて、カンファレンスを開いてしまう、
と言った事例も紹介された。しかし、ゲームAIだけは、予想もしなかった分野だけに、
そういった流れとは別のところから起こって来たようだ。

F.E.A.R. など、エージェントの認知モデルへ発展するMITメディアラボの研究
 http://www.media.mit.edu/
地元企業、Bioware との連携研究を進めるアルバータ大学、
 http://www.cs.ualberta.ca/~games/
ゲームエンジンを用いて人間に近い(Humal-level)AIを研究するミシガン大学(J.Laird)
 http://ai.eecs.umich.edu/people/laird/
 http://ai.eecs.umich.edu/people/laird/gamesresearch.html

である。
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また、ゲームAIとして、

 (1)Strong AI (ゲームで人間に勝つAI)
 (2)Entertainment AI (ゲームで人間を楽しませるAI)
 (3)Human-level AI (人間に近いAI)

に分類した。
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ウェルカム・パーティ(講演者、運営者向け)

 実際のところ、
 3日間のCEDECのために、膨大な打ち合わせのメイルが様々なところで飛び交っている。
 僕はその一端だけど、その量は尋常ではない。

 しかし、メイルでは細かいニュアンスが伝えづらい。
 だから、顔と顔を合わせて話せるのが一番だ。久しぶりに、いろいろな人と、
 直接、話すことができてよかった。あの人は怒っていなかったとか、あの人は忙しかっただけだ、
  とか、いろいろ心の重荷が取れた。パーティは、大切ですね。

posted by miyayou at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年09月01日

「サウンドゲームとプロシージャル」(CEDEC2009 講演資料)

2日目のサウンド・プロシージャル技術に関する大野さんの講演資料が公開されています。
当日は、資料の配布ございませんので、事前にご覧ください。よろしくお願いします。
---------------------------------------------------------------------------- 
 [レギュラーセッション プログラミング]

【タイトル】 サウンドゲームとプロシージャル
【講演者】 大野 功二(オープランニング)
【日程】  9月2日(水)11:20〜12:20
【講演URL】 http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1060.html    

        AI・プロシージャル講演シリーズ
          http://blogai.igda.jp/article/31493508.html
        の講演になります。

【講演資料】
  サウンドゲームとプロシージャル
  http://www.edit.ne.jp/~skyfox/IGDA/CEDEC2009/CEDEC2009_PG1060.pdf

【映像資料】
  Mirage Engine映像資料
  http://www.edit.ne.jp/~skyfox/IGDA/CEDEC2009/MirageEngine_Test.avi
  (Windowsにコーデックがインストールされていない場合は、再生できない可能性があります)

  音楽解析のテストプログラムのシューティングゲーム映像資料
  (CEDEC終了後、公開予定)

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2009年08月31日

「生態学的ゲームAI基礎論」(CEDEC2009講演要綱)

CEDEC2009 講演要綱


【タイトル】 「生態学的ゲームAI基礎論」

          「ゲーム開発技術の歴史を編纂する」 内 講演(50分)


【講演者】 三宅 陽一郎(y_miyake(あっと)igda.jp、y_miyake(あっと)fromsoftware.co.jp)
【講演URL】 「ゲーム開発技術の歴史を編纂する」
          http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1040.html

         AI・プロシージャル講演シリーズ
          http://blogai.igda.jp/article/31493508.html
         の最初の講演になります。

【日程】 2009年9月1日(火) 11時20分〜12時20分 
【場所】 パシフィコ横浜 会議センター

【主旨】これからのゲームAIの新しい基礎を提供し、
    製作工程にどう活かして行くかを解説します。

    ゲームAIの基礎論を含みますので、
    かなり抽象的な議論も含まれます。

    これからのゲームAIの基礎の話です。
    もちろん、技術的な内容もあります。

【KeyWord】エージェント・アーキテクチャ、バイオフォリア、メカフォリア、
      アフォーダンス、環世界、マクルーハン、テトラッド

【対象】プログラマ・ゲームデザイナーなど。特に制限なし
【前提知識】 必須ではないが、
 デジタルコンテンツ制作の先端技術応用に関する調査研究報告書

 2007年度版
   http://www.dcaj.org/report/2007/ix1_07.html
 2008年度版
  http://www.dcaj.org/report/2008/ix1_03.html

 のAI章(三宅)を読まれておくことが望ましいです。すいません。 

【概要】
 

1.はじめに
  
  ゲームAIの歴史は、

    @ パターンAIの時代(80年代〜現在)、
    A アルゴリズムAIの時代(90年代前半〜現在)
    B 構造化AIの時代(90年代後半〜現在)
    C エージェント・アーキテクチャの時代(00年代〜)

   として、各時代で勃興した手法が、耐えることなく多層的に共時的に
   流れていることで構成されています。

ai_20090831_05.JPG
   この次の新しい流れとして予想されるのが、
    D 生態学的AIの時代

   です。今回の講演では、「生態学的AI」の理論と手法について、
   解説します。

ai_20090831_02.JPG

   生態学的AIとは、AIを構造的に考えるだけでなく、
   AIが属する環境と共に考えて行こう、という方向です。
 (これに対して構造的AIとは、一から原理によってAIを構成しようとすることです)

   そういった環境と生物との関りは、長い進化の中で、
   我々の無意識の内に形成されています。

   人工知能と言えば、意識化された知性が注目されて来ましたが、
   実は、最近は、「無意識に蓄積された知性」の方が、ずっと大きく、
   基礎的であることがわかっています。

   そして、これからのゲームAIも、この部分を無視することなく、
   真面目に実装して行くことで、
   これまでのAIより、より大きく多様な基礎を獲得することが出来ます。

   そして、そういった知見は、AIや心理学の学術的研究で蓄積されて来ました。
   この講演では、基礎的な概念を説明し、そこから、
   それらをゲームAIへ応用する橋渡しをしたいと思います。

ai_20090831_01.JPG   
2. バイオフィリア

バイオフィリアとは
「生物がその知覚において生命と非生命を区別し、無意識にうちに、
 生物を嗜好する傾向」

のことです。生物というのは、植物と動物を含みます。
これに対してメカフィリアとは、無機的な機械を好む傾向のことです。

このバイオフィリア、という視点、或いは、バイオフィリア、メカフィリアという対立から、
ゲームを見ると、ゲームデザインのいろいろな面が見えて来ます。

ai_20090831_00.JPG

 例えば、われわれは、なぜ、ゲームのNPCに知性を求めるのか?
  (生命に対する嗜好) 

 なぜ、ステージ内に、森や湖、クリーチャーなどの自然物を求めるのか?
  (植物、動物に対する嗜好)

 また、スーパーマリオなど、ステージクリア型のレベルデザインでは、
 無機的なデザインと有機的名デザインのくり返しから形成されるのか?

 「テトリス」と「ぷよぷよ」のデザインの違いは何か?
  (メカフィリア、バイオフィリア)
  
など、普段、デザイナーや無意識に行なっていること、ユーザーが無意識に感じていることに、
うまく説明することが出来、これからゲームデザインを考える上で、キーコンセプトの
一つになると思います。


3.アフォーダンス

「アフォーダンス」とは、その環境がその生物に許す行為のことです。
「アフォーダンス」(affordance) の「アフォード」(afford)とは許すという意味で、
「アフォーダンス」は、その生物の取り得る行為から切り取られた環境の情報の総体を指します。

例えば、HALOというゲームでは、各オブジェクトにAIが取り得る行動(=アフォーダンス)の
情報が付与され、AIは、そのステージに入ると、全オブジェクトのアフォーダンス情報をまず収集
(リスト)し、そこから、最適な行動を選ぶという思考が組まれています。

こんな簡単な仕組みですが、このおかげで、AIは、「道具を使った賢明な行動」を
自然に取ることが出来るようになるのです。

ゲームとアフォーダンス
 http://blogai.igda.jp/article/31070873.html

しかし、アフォーダンスは静的な情報ではありません。キャラクターの現在の状態によって
変化する動的な情報です。

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例えば、落とし穴があったとします。通常は、これを飛び越えることができる、
というアフォーダンスがあります。しかし、負傷しているときには。
このアフォーダンスは、飛び越えることができない、に変化するのです。
AIは、こういった変化するアフォーダンスを追いつつ、行動を決定する必要があります。
HALOであれば、動かすことが出来る車は、ユーザーに奪われた段階で、動かすことが
できない車、になります。

知識表現+世界表現は、通常は変化しない情報でした。
少なくとも、AIの内部状態には関係ない、外部の環境情報でした。
アフォーダンスは違います。アフォーダンスは、AIの状態によって変化します。

 「知識表現+世界表現+アフォーダンス」
 
この3つの情報を活用することが、NPCの行動を高度化する鍵になります。
では、この3つの情報を包括する空間とは何でしょうか?

それが次に紹介する環世界になります。


4.環世界

我々、動物は、決して世界そのものを知覚しているわけでありません。
例えば、我々は、自分の眼の知覚する波長領域しか見ることが出来ませんし、
耳もまたそうですし、それ以外にも、無限とも言える環境情報の中から、
必要な情報だけを集めて、自分の主観的世界を構成しています。

このように、各生物が、それぞれ主観的に構成する世界のことを環世界と言います。

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それぞれの生物が、イタチが、ニワトリが、カタツムリが、ミミズが、人間が構成している環世界は、
研究によって、全く違うものであることが知られています。
そして、この環世界の差こそが、動物の行動に大きな違いや決断を生み出しているのです。

例えば、ニワトリは、どんなに雛が困っている姿を見ても、その声が聞こえなければ、助けに
行くことはありません。逆に、声さえ聞こえれば、姿は見えていなくても、助けに行こうとします。
ニワトリの環世界は、音声に拠るところが大きいのです。

また、イタチは動かない獲物を知覚する力がありません。たとえ、よく知っている獲物でも、
動かなければイタチに襲われることはありません。しかし、僅かでも動くと、そこから、
イタチの環世界に捉えられて、追われることになります。

また、人間は、18分の一秒以上を、知覚することは出来ません。例えば、一秒間に、
18回以上、同じ箇所を叩かれても、ずーと押されているようにしか感じません。
人間の環世界の一瞬とは、18分の一秒以上ではないのです。

*   *   *

環世界は無意識で構成されます。実は、動物が持っている知性の殆どは、
この環世界の中に埋め込まれることで存在します。
それは普段意識されないので、わかりにくことです。

例えば、我々は建物の側面だけを見て、その奥行きが見えてなくても、
創造することが出来ます。もし、回り込んで、それが表面しかない、
ハリウッドのビルボードのセットであったなら、我々は非常に驚くことでしょう。
それは、とりもなおさず、人間の環世界が、無意識に、建築の前提を含んで
認識しているからです。

このように、無意識が構成する環世界は、
実に様々な環境の前提を、補完し含んでいるからに他なりません。

*    *   *

NPCは、ゲーム世界から、環世界を切り取ります。
この環世界には、NPCが必要とする情報が含まれ、かつ、
アフォーダンス情報も含まれていなければなりません。
また、通常、われわれが自分の行動を想像するように、
自分の行動もシミュレーションできなければなりません。

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この同じゲーム世界を、ゲーム・プレイヤーも知覚します。
そして、ゲーム・プレイヤーも、ここから独自の環世界を切り取ります。

NPCとユーザーは、同じゲーム世界から別々の環世界を切り取るのです。
ユーザーが知性として納得できる行動を取らせるためには、
NPCの環世界をある程度、ユーザーの環世界に近付けておく必要があります。


5.ゲームとは何か? ゲームAIとは何か?

我々は、自然から人間のために、都市を作り、さらに、そこからバーチャルな空間へ、
より安全な世界を求めて、内へ内へと移動して来ました。

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ところが、バーチャルな世界では、原初のさまざまな衝動や感覚が復元されます。
これは、マクルーハンのテトラッドの形式をゲームについて考察の帰結の答えとして、
自分は考えます。

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その中でも、生物への嗜好、バイオフォリアは、ゲーム世界の中に、再び、
自然や生命が再現されることを望みます。

マップとオブジェクトに、AIが参加することで、初めてゲーム内に「状況」(シチュエーション)
を産み出すことが出来ます。


@ 場                    マップ (Field  + Space)
A 場 + オブジェクト             レベルデザイン (Level Design)
B 場 + オブジェクト + AI         状況(Situation)


そして、ゲームAIに求められ来たのは、単に賢いAIではりません。
生物らしい生物です。そして、それを実現する鍵が、生態学的なAIにあるのです。

くり返しますが、
生態学的AIとは、環境との相互作用の中でAIを捉えることです。
(これに対して構造的AIとは、一から原理によってAIを構成しようとすることです)

そして、そういった環境との相互作用を制御する知能は、
諸感覚の情報を統合する無意識によって、環世界として構成され、
意識に知覚されるようになります。

同じようにAIも、そういった環世界から知性を構成することで、
より環境に含まれ、相互作用するAIとしての機能を発揮できるようになるのです。


6.現代人の総合的環世界

今度は、もう少し広い視野で、人間の環世界を見てみましょう。

人間の環世界は、もはや動物のように、自然の環世界だけではなく、
複雑な環世界を構成しています。ここでは、簡単のために3つの環世界を考えます。

@ 生物的な原初の環世界
A 情報環(境)世界
B ゲーム環世界

Aは、この30年で発達した人間を取ります高度な情報環境に対して、人間が構成する
主観的世界(ネットにハイルとか、メイルをオクル、とか、ゲームにハマルとか、様々なメタファーも
この上に成り立ちます)です。
Bはゲームユーザーがゲームプレイによって構成する環世界です。
例えば、オンラインゲームの環世界は、@の生物的な環世界をさえ侵食する力があります。

ai_20090831_07.JPG 

かつて、A「情報環境世界」が弱く、Bゲーム環世界が強かった時代(1980〜2000年)には、
ゲームは本当に強い力を持っていました。しかし、この10年で、A「情報環境世界」は
圧倒的に大きくなり、強くなり、そこに含まれるBゲーム環世界は、相対的に力を弱めつつあります。

それはそれでいいという人もいます。
Bのゲーム環世界が強すぎて、オンラインゲームから離れられない人もいます。

一方で、ゲーム開発者としては、ゲームにユーザーを引き付ける力が弱くなっていることも
感じています。

では、ゲーム開発者は、ユーザーに対して、どのようなゲーム環世界をデザインし提供すれば
よいのでしょうか?

AIを含めて考えて行ければと思います。
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2009年08月29日

意識の構成と一つの人工知能の作り方について

精神のバランスが崩れ、抑圧されていた情動が解き放たれ乱動し、
精神の内を混乱している人間にとって、
夕方より朝、或いは眠りの中がつらいことが知られている。
これは、日常では意識によって調停されている様々な情動が、
その管理が弱まる眠り、或いは、眠りを経た朝は、
解放された情動が心理の上をのたうちまわり、
その人の自我に危機をもたらすからである。

意識はこのように、人間の精神のうちにある様々な情動を抑制し、
それらを調停する役割を担っているのである。
もし、意識がなければ、また、意識に準じる情動の調整力がなければ、
あらゆる情動が溶け合って、パニックに陥ってしまうだろう。
実際、人間がパニックに陥っている状況とは、そういう状況である。

意識は、情動が混在し、普段からコンフリクトしないように、
情動の集合を分断する機能を持たされている。逆に言えば、
意識とは、いろいろな衝動・欲動が衝突しないで済むように、
人間の精神のうちで準備され形成された中立地帯なのである。

それは、生物が進化の途上で、身体の複雑度を増すと同時に、
身体から精神にフィードバックされる多数の情動を持つという状況の中で、
自然とそれらを調停する機関として意識が創発された可能性さえ示唆している。

consious_ness.JPG

であるからこそ、意識の「へり」は全て欲動の境界によって形成されており、。
その境界を通して、意識は欲動を操作し行動を行なうことが出来る。

意識は空であり、唯一、直接的な行為と結び付いていないものであるからこそ、
あらゆる行為と結び付く衝動たちの調整機関としての役割を持つことが出来るのである。
意識自身には現実で行使し得る何の力もない。
意識の力は、それに連なるあらゆる衝動を通じて発効されるものである。
意識はその状況における複数の衝動を調停し、選択し、許可を与えることで、
行為を産み出す機関なのである。

このような立場に立つ知性の作り方の一つの方法は、
意識に対して、意識以外の全てのものが、身体、精神が
意識に行為の提案(=意識の「へり」に対する抑圧)を行い、
中立機関たる意識が、そういった提案を組み合わせ、調停することで、
個々に提案された以上の行為の連続を産み出すという方法である。

実際、人の不安は、意識と「へり」、衝動の境界と意識が重なる部分で
引き起こされる。それは一つの衝動が意識を抑圧する力であり、であると同時に、
その衝動を起因する原因が重要であることを意識に知らしめる役割を持つ。
それが人間にとっての不安の役割である。

とすると、意識というのはやはり、悩むべく作られた機関であって、
我々が、そこから解き放たれることはないだろう。逆に言えば、
だからこそ、日々、悩み、苦しみ、決断することは、
我々が意識的存在であることの証拠であり、
知性を持つものの宿命であり、意識そのものの本来的性質であると言える。

意識は確かに実効力からすれば空であるが、
その中には、複数の衝動の力学系から平衡点を見出す力が内在しており、
その力ゆえに、困難な状況でも決断し実践し打破する力を持つ。
それは知性が持つ存在の根源的強さであり、
その決断は意識の「へり」を通じて衝動を操作し、身体を以って行動となすことで
あらゆる抑圧の苦しみの包囲を自我の中心から湧き上がる力で跳ね返し、
精神を解放の歓びへ導く人間の根源的な力なのである。

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In-tech を活用しよう

 
In-tech
 http://www.intechweb.org/
 
というサイトでは、2000冊の洋書の教科書が無料でダウンロードできます。
登録も要りません。
 
検索して、自分の必要な教科書を見つけることができます。
 
multi-agent、ロボット、人工知能 に関するテキストも豊富です。
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2009年08月24日

コミティア89(夏)を行く(ガンダムエキスポ)

8月23日(日曜日)、「コミティア89」へ午後から参加して来た。
http://www.comitia.co.jp/
コミティアは、オリジナル創作をテーマとする即売会で、
版権ものでないオリジナルを題材に、同人誌、CD、アニメ、などが、
販売されている。 

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会場はコミケの熱、冷めやらぬビックサイトだが、西1,2だけが会場。

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比較的ゆったりとしたスペースと流れで、創作メインということもあって、
作家性の高いサークル、作家さんと交流できるのが、コミティアの魅力だ。

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小説、コミック、ゲームを購入した。ゲームはノベルゲームが多い。
今回は無料体験版の配布が多かった。どのサークルも実力と真剣さが伝わって来た。
ゲーム製作には時間がかかるため、ゲームの動向を知ることは長い期間を要するが、

ここに来てはっきりと同人ノベルゲーム全体の底上げが為されているという手応えを感じた。

興味のある方は、第3回同人ゲーム研究会「シナリオ作成技法とメーキング」
 http://www.igda.jp/modules/pico/index.php?content_id=5

に参加されるのもいいだろう。

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オリジナル小説 「ぼくはキカイのキモチなんか知りたくない」の作者の方。  
(今回は代表ではなく、個人として参加されています 犬

発明王にして未来予測家のカーツワイルの「シンギュラリティー」の議論に
刺激を受けたという本作は、50ページに及ぶ力作。装丁もしっかりしている。
 
舞台は個人の体内に人工知能がインプリメントされる2030年の未来。
会話型人工知能ビヨンドとそのマスター浩一郎の知能とココロの交流を、
平凡な日常から、世界を巻き込む大きな事件までを通して描く、
リリカルでエスプリな学園SF。

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ヘッセからアシモフまで、多様な引用に満ちた文体も特徴のひとつだ。
3章+零章の草稿が、公式サイトで公開されている。

http://sakugetu2000.blogspot.com/2009/07/blog-post.html
続編も楽しみだ。

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コミケの後、友人に教えてもらった、オリジナルアニメ「眼鏡」眼鏡
 http://www.iro-dori.jp/
見せてもらって非常に面白かったので購入した。
一ヶ月に1分という目標を、規則正しくこなして行くことで、
20分相当の3Dアニメーションを8名のサークルで2年半で完成された。
プロットも秀逸。二コ動でも見れるので、是非。


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ガンダム・エキスポへ。 ガンダム30年の歴史を追える。
こういう機会でもないと追うことができない。

ガンダムは富野氏の17枚の企画設定書から始まったとされている。

スペースコロニー
モビルスーツ (ニュータイプは後から…)

ガンダムという作品は、ファーストのみならず、それ以降の作品を
包括する大きな可能性を持っていたことを痛感する。
30年という一つの歴史を築いた存在感を存分に味わえた。


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歴代ゲームも設置されていた。
 
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SDガンダムは、ファンの一枚の投稿イラストから始まったそうだ。
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待ち合わせて、お台場ガンダムへ…。行くはずが、はぐれて(後で合流)、
一人で、お台場ガンダムへ(3回目)。
ほぼ最終の休日ということもあって、
たくさんの人が観覧していた。何回見ても凄いですね。
得にエキスポの後で、感慨深かったです。

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そして、再び帰り道に迷う…。^^
皆様、お疲れさまでした。

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2009年08月22日

CEDEC2009 AI,プロシージャル分野講演テ−ブル(三宅担当分)


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(クリックすると大きくなります)


今年の、AI Days (公式名称ではありません) のスケジュール・テーブルです。
AI,プロシージャル分野で、三宅がまとめている講演のリストです。
もちろん、他にもAI,プロシージャル分野の講演はございますので、ご注意ください。

以下に、講演詳細のリストを載せておきます。
ご活用願えれば幸いです。

 _______________________________

[CEDEC2009 アカデミック]
_______________________________

  
 工学としての AI、理学としての AI --- RoboCup を題材として ---
  野田 五十樹(独立行政法人 産業技術総合研究所)
    http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1093.html
      9月1日(火)16:30〜17:30

---------------------------------------------------------------

 ゲームAIにおける産学連携戦略の10年
  山根 信二(青山学院大学)
    http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1044.html     
       9月1日(火)17:50〜18:50   
       ※セッションの日時が変更になりました。

---------------------------------------------------------------

 モンテカルロ法によるゲームAIの可能性 
  美添 一樹(独立行政法人 科学技術振興機構 (JST))
     http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1085.html
         9月2日(水)13:30〜14:30

_______________________________

[レギュラーセッション プログラミング]
_______________________________

 ゲーム開発技術の歴史を編纂する〜ゲームデザインからAIまで〜
  三宅 陽一郎(株式会社 フロム・ソフトウェア)
  須藤 智明(財団法人デジタルコンテンツ協会)
    http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1040.html
      9月1日(火)11:20〜12:20

---------------------------------------------------------------

 サウンドゲームとプロシージャル
  大野 功二(オープランニング)
    http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1060.html
      9月2日(水)11:20〜12:20

---------------------------------------------------------------
  
 僕より賢いSATソルバー
  長久 勝(ハイパーコンテンツ株式会社)
    http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1074.html
      9月3日(木)14:50〜15:50

_______________________________

[パネルディスカッション]
_______________________________

 デジタルゲームAI分野における産学連携を目指して
  全員
    http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1040_2.html
      9月2日(水)16:30〜17:30

_______________________________

[ラウンドテーブル]
_______________________________

 ゲームAIを横浜で語る
  長久 勝(ハイパーコンテンツ株式会社)
    http://cedec.cesa.or.jp/2009/contents/prg/pg_1074_2.html
      9月3日(木)17:50〜18:50
_______________________________

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2009年08月17日

コミックマーケット2009夏 三日目レポート

毎年、東京の国際会議場で開催しているコミックマーケットへ
参加して来た。今日で3日目の最終日となる。


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昨日と同じ13時頃に到着したが、昨日よりも空いていた。
やはり、2日目の混雑は、東方、ひぐらしなど、同人発祥の人気ジャンルが
集中したせいかもしれない。


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(グループで購入戦略を取った方は、休憩と同時に、同人誌分配を行います。
 同人誌には、コレクター欲求を喚起する要素が多分にあるようです。) 
 

3日目は、東館=商業キャラクタージャンル、
西館=オリジナルジャンル、という分類だ。
同人誌と言えば、パロディ誌というイメージが強いかもしれないが、
版権ものほど人気はないものの、オリジナルで頑張っている作家がたくさんいる。
商業作家でもオリジナルの発表の場としてコミケを利用している人も多い。
最近では、pixiv で有名になってコミケで本を売るケースも多くなっている。
pixiv、コミケは、いろいろな流れと親和性が高い。

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こちらは東館の写真だが、以下は、人気サークルの場外列の流れ。
壁サークルと言われる人気サークルは、他のサークルや通路の邪魔に
ならないように、外に待列を誘導できるように配置されている。
列の誘導は、サークルが自分で行う必要がある。

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知人のサークルを巡ったが、ブースが午前中で売り切れで閉じられていたり、
或いは、人気が高くて売り切れだったりして、結局、ぶらぶらとして、
評論系の本などを集めたりしてみた。
 
 氷川竜介 「アニメとSFの親和性」
 http://homepage1.nifty.com/RYU-HIKAWA/page028.html
 
 筑波批評 「ゲームの思考」
 http://d.hatena.ne.jp/tsukubahihyou/
 
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「Autorun 」というのは 神奈川大学のサークルの文芸誌のようです。
CD−ROMがついていて、小説が入っています。表紙がとてもいいですね。

あと、自転車とキャラクターをテーマにした、イラスト紙 
 

少女サイクル
 http://www.shoujo-cycle.jp/

 
がとても気に入りました。自転車詳しい人が見ても、
おお、って思うかもしれません。 
 
ヘッドフォン少女画報
  http://shop.gakken.co.jp/shop/order/k_ok/bookdisp.asp?code=1340423000
 
も出版されたばかりですが、こういったイラストの拡張のさせ方もあるかと、
感心しました。


西館へ。15時ということもあって結構空いている。

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見上げると、あんなところにも宣伝の札が。企業ブースからは、よく見えるのかな?

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オリジナル・イラスト系のサークルを中心に見てまわる。
有名サークルとかわからないので、適当に歩いて購入してみる。
一生懸命、本を見ていたら声をかけられた。知り合いがブースを出していたのだ!
びっくりした。RPGみたいだ。

「やくそうをひとつください」
「y_miyake、y_miyakeじゃないか! アリアハンで会ったオルデガだよ!」

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そして、待ち合わせもしていないのに、会社の友人とばったり合流して、
一緒に帰る。案外、コミケは、移動スピードが遅いのと、人口密度が高いために、
会場でばったり会うこともないわけではない。

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とりあえず、3日間が終わった。
さらにツワモノたちには、「コミケ4日目」が待っている。
「コミケ4日目」とは、

明日、秋葉原の「とらのあな」などで、早朝から、
並ぶことを言うらしい。委託販売を狙うらしい。


自分は、3日間でいいです。本日で終了です。

丁寧に対応してくださった方、一緒に回った友人、
このブログ読んでくれた方、ありがとうございました。

あと、コミケスタッフは殆どがボランティアらしいですね。
安全に回れました。ありがとう。
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そして、下北沢の自宅には、いつもの平穏な夕暮れが訪れたのでした。

 
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2009年08月16日

コミックマーケット2009夏 二日目レポート

コミックマーケット2日目。
コミックマーケットとは、8月14〜16日まで、東京の国際会議場で
開催されている、同人誌をはじめとする同人コンテンツの即売会である。
今年は、来場者が55万人を超える勢いであり、
昼から行けば、すんなり入れるはず、だと思い午後から参加することにした。

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会場には午後1時に到着した。入れない、入れないよ…。
2年前は、サイトにさえ昼から来れば、待たずに…、と書かれていたが、
もはや今年は、そういう状況でもないようである。
この2,3年でさえ、来場者数はかなり延びているようだ。

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コミケットの会場は、東、西、商業ブース(西上)と分かれている。
特に東館は、最大のブース数を誇り、来場者も多い。
これは、東館へ行く混雑である。
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ということで、東館はあとで行くことにして、
階段を登って商業ブースへ行くことにした。ai_20090815_11.jpg

商業ブースは、
ゲーム(主にPCの美少女ゲーム)、アニメ、グッズ、書店など、
さまざまなコンテンツ分野のブースが軒を並べる。声優のイベントなどが
あったりするが、昔のようにステージや収録ブースはないようだ。


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西館へ。アナログゲームの即売ブースへ。カードゲームか、
ゲーム関連の解析、体験本が多い。カードゲームはコミケでも、
歴史を持つ。オリジナルのボードゲームの即売は、コミケだけでなく、
他のボードゲームの即売会でも少ない。駒を作りにくいし、かさばるし、
数を作れないなど、いろいろな課題がある。また、日本では、ボードゲームでなく、
トレーディングゲームが圧倒等なシェアを誇っていることの反映でもある。ai_20090815_05.jpg

2時40分。西館から東館を目指す。経路がぐるっと回っていて、
比較的流れている列を並んで(それでも凄い人だ)、3時には、東館へ到着。
同人ゲームのブースのある東2のあたりへ。
 
一つ一つのサークルのゲームをチェックしながら回る。
わからないものは、ゲームの内容を説明してもらう。
冬コミと比べてさえ、同人ゲームはさらに進化しているように見える。

全体として、
きちんと完成しているゲームも多く、
シューティングゲームは歯ごたえがあり、
ノベルゲームも完成度がさらに高くなっているように思えた。
何より、以前に比べて、
量の多いコンテンツをしっかりと完成させた
タイトルが増えているように思えた。
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SIG-INDIES でお世話になっているいくつかのサークルさんにも挨拶。
15時ということもあって、皆さんにこやかに対応して頂きました。
ありがとうございます。 15時でもういなくなっていたり、撤収作業中だったり、
たまたま接客されてたりして、伺えなかったサークル様は、伺えずに残念でした。

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少し前の未購入だったタイトルも含めて購入しました。
ゲームと映像DVDです。小説もありますね。
 
16時、拍手と共に、2日目終了。以下はコスプレ会場。
もう誰もいませんね。日陰が多くていいですね。今年はもう、
炎天下の屋上はもうコスプレ会場ではなくなったようです。
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17時まで再び企業ブースへ。
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もう人もまばらです。本当によく晴れた日でした。
並んでいるだけで、日焼けしますね。

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お疲れさまでした。

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2009年08月15日

コミックマーケット2009夏 一日目レポート

8月14日、ビックサイトで開催されているコミックマーケット76へ行ってきた。
コミックマーケットは、主に学生漫画即売会に端を発する同人誌即売会で、
年2回、夏冬に開催され、今回で76回目を数える、50万人以上が参加する、
国際で最大の即売会イベントである。8月16日まで3日間開催される。
http://www.comiket.co.jp/
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現在は、即売会以外にも、企業ブースや、コスプレ会場など、
多岐に渡る、表現コミュニケーションの場となっている。
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今回からの新しい試みとして「コミックマーケット・シンポジウム」が開催された。
http://www.comiket.co.jp/info-a/C76/C76symposium/C76symposium.html
このシンポジウムは、これまでのように、コミックマーケットを、
オタク、サブカルチャーという視点から捉えるのではなく、
社会学的の立場から、コミックマーケットの社会における位置、
そして、その波及の効果を研究する立場を明らかにするものである。
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会場は300人程の聴衆で埋められる中、
「固定され選ばれたクリエータークラスではなく、
 超多様性市場としてのクリエイティブなマーケットとしてのコミックマーケット」(出口教授)
「市場、政府、そして3つ目の新しい軸としての同人コミュニティ」(田中教授)
という見方を示した。
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また、筆谷共同代表は、「さよなら銀河鉄道999」の

「鉄郎、永遠の命とは、一人が永遠に生きていくことではない。
 一人の血が、次の世代へと受け継がれ、それが、またその次の世代へ受け継がれる。
 それが、永遠の命だと、俺は信じる」

という、キャプテンハーロックのセリフを引用しつつ、
コミックマーケットが、そういった情熱のバトンによって、
引き継がれ拡大した来た、という見方を示した。
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SIG-INDIE の打ち合わせの後、
残されたわずかな時間で企業ブースを回った。
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とりあえず、変則的だが、コミケ参加一日目が終わった。
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終わった...らよかったかもしれないが、ここから、別の打ち合わせのメンバーと、
お台場のガンダムを見に行った。実際、三宅は一度見ているのだが(過去のブログ参照)、
そのときは一人で行ったので、みんなで見るのも楽しかろうと、
満員のゆりかもめを見ながら、ビックサイトから歩いて潮風公園へ向かった。

道中、夕日が綺麗だし、楽しかった。
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途中、ジオキャッシュ探索
(GPSを用いた宝探し。他人が置いた目印をGPSのヒントを頼りに探す)
などの寄り道をしながら、歩くこと、50分、

ガンダムはそこに立っていた。大勢の観光客を足元に、遠くビックサイトを
眺めるがごとく立っていた。左肩には、以前にはないマークがあった。

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そんなガンダムを観ること10分、
既に見ることに飽きた友人たちは、
再び、ジオキャッシュ探索を始めるのであった。
自分も一緒にやっているうちに楽しくなり、
座標を頼りに森深く消えて行くのであった。

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気が着くと、日がどっぷりと暮れていた。これで帰る…。
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帰る…のではなく、再びミーティングが22時まで続くのであった。
一日目、コミケ終了。何も購入せず、一般ブースも見れず、
しかし、手元にはシンポジウム記念の灰皿が残った。
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2009年08月10日

第5回ボードゲーム交流会 レポート@

8月9日(日)、秋葉原UDXフードシアターで、IGDA日本ボードゲーム交流会第5回が開催されました。

UDXオープンカレッジ「ボードゲームプレイワークショップ」
「第5回IGDA日本テーブルゲーム交流会」

 http://www.igda.jp/modules/pico/index.php?content_id=4

当日は、日本晴れで、雨が降らなくてよかったですが、
炎天下の中、参加者が100種類以上のボードゲームを持ち寄って開催されました。
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今回で第5回となる交流会は、日程の都合もあって、14時から22時の8時間。
しかし、ボードゲーム交流会を含めて、さまざまなイベント内イベントも行われました。

まず、開会式です。鶴代表の挨拶の後、ゲストの紹介がありました。
 
秋葉原カルチャーカフェ シャッツキステさん、メイドカジノ アキバギルドさん、
占い魔女の館さん、です。占い魔女の館の蘭さんは、

ドミニオン大会の前に優勝者を16人の中から指名し、見事、的中させました。
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まずは、参加者全体で全体ゲームです。
右ブロックと左ブロックに分かれて、片方の各机の人が、
出されたお題(戦後の首相の名前、歴代トップ30ゲーム)に該当する名前を
書き、 片方がブロック名として、同様の名前を書きます。
攻撃側はビット(賭けポイント)を宣言して、その名前に該当する名前が
もう一方の側にあれば、ブロック=無効にすることが出来ます。
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フリーゲーム大会で持ち寄ったゲームを各机に分かれてプレイします。
こうった多種多様なボードゲームに触れる機会を作るのが、交流会の目的の一つです。
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メイドカジノ アキバギルドさんにおけるポーカー大会。10人以上が参加して、
たいへん盛り上がっていました。カードやコインを操り方も、流麗です。

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ドミニオン大会の様子です。16人から始めます。
ドミニオンは、平均45分で終わるようになっていますが、熟練者が多く、

スピードが速く、机によっては7分で終了した机もありました。

決勝戦はモニターと実況つきで、2人対戦で行ないます。
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右の方はカードドローの札を展開して、できるだけカードを巡回させながら、
金札を、手元に多く集めようとします。

左の方は、カードを着実にカードの枚数を集めて、ポイントを稼ごうとしていました。
39枚まで集めたところでゲーム終了で35点(後一枚でプラス8点)。

右のカードをリンクさせた方は、最後の最後の手番で
うまくカードが回らなかったものの計39点で、
カード一枚差を逃げ切りました。よい試合でした。 

ドミニオンは通常4人でプレイするので、2人プレイはなかなかやる機会がないので、
また、見る機会も少ないので、プレイする側も新鮮だったようです。
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外では、ステージがあってお祭りをしていました。
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閉会式です。ドミニオン入賞者には、
秋葉原カルチャーカフェ シャッツキステさんから、
お菓子が手渡されました。

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こちらは懇親会中の様子。画面では、カタンDS版(ドイツ語版)の画面。
これは、交渉中の画面です。
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21時を過ぎ。懇親会の食事が終わっても、ゲームをやり続けます。

なんという逞しさ! 
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全てが終わると夜の22時でした。
みなさん、お疲れ様でした。 

 
是非、この経験をゲーム製作やゲームを考える糧としてください。
ありがとうございました。


ブログで書いた人は、コメントに書きこんでね。トラックバックでもよいです。

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2009年08月05日

ゲームとアフォーダンス

アフォーダンスとは、環境が主体に許容する行為のことである。
例えば、椅子は座ることが出来、窓ガラスはそれを通して見る、或いは、
壊すことが出来、ボタンは押すことが出来、我々は空いた空間を歩く、
走る、這う、ことが出来る。

こういった行為のアフォーダンスは、
ゲームにおいて特に重要である。

アフォーダンスからゲームを見ると、様々なものが見えて来る。

ボードゲームのアフォーダンスは、ほぼルールと同義である。
駒、カードの規約、交渉は、全てルールに書かれている
手順とタイミングに置いて行なわなければならない。

将棋のアフォーダンスとは、駒の動かし方であり、ルールである。
しかし、そんな将棋でさえ、そのアフォーダンス=ルールは、
時代を経て変化して来た。

アクションゲームにおけるアフォーダンスは深刻な問題である。
その空間において、キャラクターが、その位置、その場所において、
許されている行動はどのようなものだろうか?

例えば、AI=キャラクター(NPC)が、風車に飛び乗る、という行為を
行なうことを考えてみる。それが、どの位置で、どのタイミングであるかは、
プレイヤーなら、試行錯誤の末に知ることが出来る。

しかし、AIには、実装として与えてやらなければならない。
そういった実装が積み重ねて行くと、高度なAI=環境に対応できるAI、
はすぐに膨らんで行くことになる。

人間は、そういった環境が許容する情報を、無意識の中で、
紡ぎ出す能力がある。

キャラクターAIにおけるアプローチとは、
そういったアフォーダンス情報をマップの情報を埋め込むことだ。
人間が生来的に得ているアフォーダンスを見出す能力は、
現段階のAIではそのまま実現することはできない。
それは、AIの最終問題と繋がっている重要で最難解な問題だ。
だから、そういったアプローチよりは、現在では、
位置(ウェイポイント、ナビゲーションメッシュ)、
オブジェクトに、アフォーダンス(何ができるか)という情報を
埋め込んでおく。

車というオブジェクトには運転できる、
ボールには動かせる、
椅子には座れる…。
 ところが、こういったアプローチは、実はアフォーダンスの思想そのもので
あったりする。アフォーダンスとは、位置や物体に埋め込まれた許容情報、
(正確には、人間が認識する対象に対して埋め込まれた情報)であるからだ。

例えば、HALO や、The Sims では、場所、オブジェクトに、行為の情報が
埋め込まれている。
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Dude, where's my Warthog?
From Pathfinding to General Spatial Competence
Damián Isla

今年のGDCでも、Damian Isla が、アフォーダンスがゲームAIの基礎と
して大切なことを強調していた。(AIサミットの資料参考)

自分のAIセミナーでもよく使う言葉の一つである。
いずれ、ゲームAIの基礎論の用語としても、定着して行くことだろう。

また、ゲームデザインにとっても、ユーザーのアクションのアフォーダンスを設計することは、ゲームデザインとほぼ同義である。そして、そのアフォーダンスは、ユーザーに直感的でわかりやすいものでなければならない。

また、インターフェース=ボタンや表示のデザインにも、アフォーダンスは重要である。押すべきボタンは押せるというアフォーダンスを示すことが望ましく、横に開くドアは、横に開けるように見えることが、ゲームでは大切なことだ。

 
[参考]
アフォーダンスと引くだけで、10冊ぐらい入門書がありますが、
一番わかりやすいのは、

アフォーダンス-新しい認知の理論 (岩波科学ライブラリー (12)) (単行本(ソフトカバー))
佐々木 正人 (著)

アフォーダンス入門――知性はどこに生まれるか (講談社学術文庫 1863)
著 佐々木 正人
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2009年07月30日

第5回IGDA日本テーブルゲーム交流会、開催します! (...というか、もう締め切り間近!…というか、お知らせ!)

第4回IGDA日本テーブルゲーム交流会

 デジタルゲームの最先端に立つ人々が集合した,
 「第4回ボードゲーム交流会」レポート(4gamers)
  http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20090209040/


 日々是遊戯:デジタルでもアナログでも、楽しいものは楽しい
   ――ボードゲーム交流会ってなに? (ITmedia)
   http://gamez.itmedia.co.jp/games/articles/0902/12/news090.html

を覚えていますか?
そう、それは、今年の早春、2月7日(土)のことだった。
ああ、しかし、今は夏、かつ、真夏。

日差しは雨の如く降り注ぎ、地平線には雲がたなびき、
お台場にはガンダム大地に立つ!

そして、いよいよ待望の第5回交流会を開催します!
というか、7月31日(金)で締め切りますう!

気軽にお申し込みください。

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UDXオープンカレッジ「ボードゲームプレイワークショップ」
「第5回IGDA日本テーブルゲーム交流会」
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事前申し込み制です。詳細は、
 http://www.igda.jp/modules/pico/index.php?content_id=4
をご覧ください。どなたでも気軽にお越しください。
posted by miyayou at 03:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年07月29日

日曜日の幕張

 Good stars met in your horoscope,    汝が天球にて善き星たちの出会い、
 Made you of spirit, fire, and the dew.   汝が魂を火としずくを以て作れり 

      -- EVELYN HOPE, Robert Browning
        訳詩: 三宅陽一郎

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日曜日の舞浜の夕方です。残照がマリーンスタジアムを照らします。


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(写真はクリックするとおおきくなります)

東の空はまだ明るい。一日が東と西で分かれているみたいです。


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上弦の三日月が高く登っています。そういえば、22日は皆既日食でした。


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スタジアムに光が灯りました。マリーンスタジアムが海に浮んでいるみたいです。


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風の強い日でした。雲はみな流れて行ったみたいです。


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海の上の月。とりあえず、いろいろ、お疲れさまでした。

        時は春        
        日は朝       
        朝は七時        
        片岡に露みちて   
        揚雲雀なのりいで   
        蝸牛枝に這ひ     
        神、そらに知ろしめす
        すべて世は事も無し  

           Robert Browning  ロバート・ブラウニング『春の朝』
           訳詩: 上田敏 訳詩集 『海潮音』

              http://yukosait.blog21.fc2.com/blog-entry-2.html
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2009年07月28日

「STAR WARS UNLEASHED」における有限要素法によるリアルタイム変形シミュレーション

GDC2009において、STAR WARS UNLEASHED における有限要素法による
   リアルタイムの変形シミュレーションについての講演がありました。
   
   https://upload.cmpevents.com/GD09/a.asp?option=C&V=11&SessID=8533

   Real-Time Deformation and Fracture
   - Finite Element Simulation and its Use in STAR WARS: THE FORCE UNLEASHED

   Speaker: James O'Brien (Professor, University of California, Berkeley),
          http://www.eecs.berkeley.edu/~job/Prof._James_F._OBrien/Home.html 
        Eric Parker (CTO, Pixelux)
          http://www.pixelux.ch/component/option,com_frontpage/Itemid,1/

gdc2009_unleashed_00.JPG  

   講演は、半分ずつ、大学の研究者と、それを実用化したツールメーカーから
   技術的解説がありました。

   この成果は、製品化されて、エンジンとして販売され様々に応用されているようです。
   
   http://www.pixelux.ch/component/option,com_frontpage/Itemid,1/

posted by miyayou at 09:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年07月27日

ワンダーフェスティバル2009夏レポート

ai_20090726_37.jpg 
7月26日(日)、幕張メッセ2〜8ホールで、

ワンダーフェスティバル2009
 http://www.kaiyodo.co.jp/wf/

が開催された。前回の事故の影響で、半年に一回の開催が、
一回休会となり、1年ぶりの開催となったが、
過去最大の出展規模となった。

ai_20090726_31.jpg
(即売会会場。過去、最高の規模)

ワンダーフェスティバルとは、ガレージキットとフィギュアの
即売会で、個々のブースで企業、同人、の造形師が作ったフィギュアが、
販売される。特徴的なのが、一日版権システムであり、
申請すれば、この日一日だけの版権使用が許可される。
(許可されない版権もある。ガンダムとか)

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(ガイナックスの歴史のパネル)

ワンダーフェスティバルは、もともとガイナックスの前進である、
ゼネラルプロダクツが主催したイベントに端を発すると言われる。
ロボット、キャラクターなどのフィギュアが、ブースに展示されており、
販売に加えて、こういった出来のよいフィギュアを鑑賞して見て
回ることも、楽しみ方の一つとなっている。

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(企業ブース。右奥がステージ。さまざまな歌姫が登場した)

そういった即売会という機能に加えて、トークイベントのブースや、
演奏ステージが用意されており、今年はボーカロイドを中心とする
イベントが目白押しであった。

 ai_20090726_32.jpg
(コスプレは会場は屋外です。暑い中、たいへんですね)

また、ワンフェスはコスプレの自由度の高さでも知られている。
通常のコスプレでは、長物禁止(身の丈を超えるような長い武器など)
が禁止されているが、ワンフェスはそういった長物が許可されており、
迫力がある。コスプレ会場は屋外で、見ている方も、そして、する方は
もっと暑そうだった。日陰をうまく使って撮影会をしていた。

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(Wonder Showcase受賞作)

ガレージキットでも、大量生産品と、小規模開発の開発の2分化が
課題となっており、オンリーワンで、少数の作品を作ろうとする造形師が
埋もれてしまうという現象が2000年頃は特に顕著であり、
そのため、WonderFestival では、個性的な作品を発掘する、

Wonder Showcase
 http://www.kaiyodo.co.jp/atelier/wonfes/wsc/menu.html

が開催されている。 
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(コスモス!)

ワンフェスは、通常、コミケなどに比べて、
ゆったりとしたイベントであることが知られている。
購入単価が高いこともあり、開始1〜2時間を過ぎれば、
ゆっくりと会場を回れる。しかし、今年は、11時30分過ぎまで、
入場整理がされていたということである。昼からは、解除され、
会場が十分大きいこともあり、やはりゆったりと回れて見ることができた。

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(FSSのKOG!)


また、新旧のキャラクター、ロボットがフィギュア化されているのを見ると、
造形の分野は、他の分野より非常に長くキャラクターやロボットが
愛されていると感じられた。
ai_20090726_35.jpg

(FSSの破裂の人形。クバルカンの最高機密がここに!)
posted by miyayou at 03:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記