CEDECは、ゲーム開発者向けのカンファレンスだが、参加費を払えば誰でも参加できる。
TGSは、TGSの中で溢れる膨大なデジタルゲームの情報の流れと、もう一つ、
開発者個人がそれぞれに持っている開発の知識や技術の情報、
この二つが化学反応を起こす機会である。
TGSは、3つのホールの中に、最新のゲーム情報が詰め込まれており、
その一つ一つが密度が濃く、インスピレーションに満ちている。
それは、目に見える表面に現れた情報だ。
一方で、開発者が持っている見えない情報もまた、総合すれば、
大きな深みと広がりを持っている膨大な情報である。
TGSは、この2つの情報の層が、最も刺激的にぶつかり合う場である。
CEDECはもっとわかりやすいが、開発者の情報と開発者の情報がぶつかり合う場である。
講演という目に見える形で現れる情報の下で、常に開発者個人の中で、その人が持つ
情報と、提供される情報がぶつかっているのだ。その化学反応から、新しい発想が生まれる。
パネルディスカッションや、ラウンドテーブルの活発な意見を見れば、もっと分かりやすい。
このように、この2つのイベントは、主催、講演者から参加者に情報が流れる一方向の
イベントではない。長い目で見れば、最も大切なのは、開発者それぞれが、その場へ自分を
投げ込むことで、自らを反応させ、アイデア、インスピレーションを得ることである。
そういった無形のものをこの2つのイベントは内包しており、
目に見える以上の価値を持っている。
そう言った見えないものが、ゲームの歴史をつないで行くためには、大切なんだ。