群集シミュレーションとか、フロック(flock)の3原則など、
集団をシミュレートするアルゴリズムは、Reynolds の仕事に触発され、
多数の仕事が積み重ねられて来ました。
Craig.F.Reynolds
Big Fast Crowds on PS3
http://www.research.scea.com/pscrowd/
Boids
http://www.red3d.com/cwr/boids/
そんな Reynolds が去年のSIGGRAPH 2008 で提唱したのが
「目的を持った集団」という考え方でした。
プロシージャル技術をアニメーションや群衆シミュレーションに応用
(Mycom、西川善司)
- 同じ目的を持ちながら個別の知性で動く「群衆」(下段3つ目の記事)
http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/08/11/siggraph01/002.html
確かに、これまで単なる群集のシミュレーションはあっても、
共有の目的を持った群集を目指すということは、それほど多くありませんでした。
この言葉をキーワードにして、これまでのコンテンツを探してみると、
商業、インディーズを始め幾つかの例が見つかります。
@4gamers - インディーズゲームの小部屋:Room#67「Swarm Racer」
http://www.4gamer.net/games/040/G004096/20081126033/
A4gamers - インディーズゲームの小部屋:Room#82「Dyson」
http://www.4gamer.net/games/040/G004096/20090325031/
BSense of Wonder Night (今年も作品、募集中)
http://tgs.cesa.or.jp/sown/
http://www.gpara.com/article/cms_show.php?c_id=9903&c_num=56
で選考作品となった、
Genocide Automation
http://expo.nikkeibp.co.jp/tgs/2008/business/sown.html
http://www11.plala.or.jp/normal/
Cくりきん ナノアイランドストーリー(DS)
http://www.nintendo.co.jp/ds/a2kj/index.html
DKARAKURI(PSP)
http://www.tecmo.co.jp/product/karakuri/system.htm
「目的を持った集団」というパタンーン・ランゲージをもとに、
ゲームデザインとAIをセットで考えてみると面白いかもしれません。
集団制御はいつもAIでは魅力的なテーマなのですが、
なかなかうまく応用できている例はありません。
2Dの場合は、俯瞰視点なので、うまく行くのですが、
3Dの場合は、主観視点から見るので、集団が集団に見えない。
レイノルズを初め、ほとんど集団は俯瞰視点からシミュレーション
を見ているので、うまく行っているように見えるのですが、
3Dの主観視点から見て集団に見えるようにするには、
そのままでは駄目なので、
実は、そのための技術こそが、ゲームAIの独自の技術
である部分なのです。