2009年06月06日

「Dragon Age」(Bioware)におけるパス検索システム(E3)

「Dragon Age」が E3 で出展されています。

超期待のアクションRPG「Dragon Age」がプレイアブルで出展(4gamers)
 http://www.4gamer.net/games/016/G001607/20090605044/

実は、Dragon Age におけるAIのパス検索システムは既に論文に
なっているので、以下から学ぶことが出来ます。

Memory-Efficient Abstractions for Pathfinding, Nathan Sturtevant, AIIDE-2007, Stanford, CA
 http://www.cs.ualberta.ca/~nathanst/papers/mmabstraction.pdf

 ほぼ同じ内容の論文は、AI Game Prograrammin Wisdom 4, 2.12 にも、

Memory-Efficient Pathfinding Abstractions, Nathan Sturtevant
  
 として掲載されています。

非常に完成度の高い論文で、また、A* に関する分析は、パス検索そのものに
関する知見を与えてくれます。

いきなり、論文というのもしんどいという型は、既に大学の講義でも
教えられているので、

Memory-Efficient Pathfinding Abstractions, Nathan Sturtevant, University of Alberta, Bioware Corp
 http://moodle.cs.ualberta.ca/file.php/133/Lecture21.pdf
  http://www.cs.ualberta.ca/~nathanst/talks/mmabstraction_talk.pdf

Nathan Sturtevant 博士の研究室は、ゲームにおけるパス検索において、
様々な手法を探りながら、かつ完成度の高い研究を展開されています。

 http://www.cs.ualberta.ca/~nathanst/pathfinding.html

その論文からは多くのものを学ぶことができるでしょう。
 http://www.cs.ualberta.ca/~nathanst/

また、この動画などは、A* がなんたるかを教えてくれる非常に面白い動画です。
ヒューリスティック探索(発見的探索)というものの挙動をよく示しています。
 http://www.cs.ualberta.ca/~nathanst/wastar.mov


University of Alberta は Computer Science の講義が、日本では、ちょっと
考えられないぐらい充実しています。以下から、講義コースと資料を閲覧することが可能です。

Course categories
 http://moodle.cs.ualberta.ca/

 上記のパス検索の授業は、 

CMPUT 652 - Winter 2009 - Single Agent Search
 http://moodle.cs.ualberta.ca/course/view.php?id=133

の、第21番目の講義です。
posted by miyayou at 10:22| Comment(5) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
アルバータ大学はチェッカー、オセロ、ポーカーで世界最強のプログラムを開発してきた由緒正しいゲーム研究グループがあるところですね。
Sturtevantの論文リストに名前があるSchaeffer教授は、東大将棋の開発者の一人だった岸本さんの指導教官です。
http://www.fun.ac.jp/~kishi/index-j.html
お、FIFA Soccerもここの仕事か...。
http://games.cs.ualberta.ca/
Posted by 山根 at 2009年06月07日 02:44
山根さん、コメントありがとうございます。
たいへん勉強になります。

これからも、アドバイスやコメント情報など、
気軽に書き込んでください。

また、このブログは私的な機能というより、
公的に有用な情報を伝える場でもあるので、

ゲームAIやデジタルゲームで有用な情報がありましたら、
お知らせ願えれば掲載させて頂きますので、
よろしくお願いします。



Posted by y_miyake at 2009年06月08日 04:02
昨年、アルバータ大学でポーカーAIの研究などをリードしている Michael Bowling 准教授と
話をする機会があったのですが、 Dragon Age については、
ゲーム制作者の側がアルゴリズムで問題を抱えており、
パス探索の部分の開発を Sturtevant博士に依頼したそうです。
その見返りとして、成果を論文として発表する許可を与えたとか。

日本でも同様に、アルゴリズムに行き詰まったゲーム会社が研究者に開発を依頼する事例が出てくると面白いのですが。
Posted by Z.O.E. at 2011年02月10日 00:31
Biowareは地元のアルバータ大学と継続的な交流があるみたいですね。もともとアルバータ大学の医学博士がつくった医療ソフトウェアの会社だし、Dragon Ageの言語監修もアルバータの言語学部に依頼してる。こうした地元企業との交流からゲームAIのコラボレーションが生まれ、さらにBioware創業者がEA副社長になってFIFA Soccerとか大作でのコラボレーションにつながっていったのでしょう。
Posted by S. Yamane at 2011年02月10日 04:43
こんにちは、またブログ覗かせていただきました。また、遊びに来ま〜す。よろしくお願いします
Posted by モンクレール 店舗 at 2013年11月20日 12:42
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