数学にせよ、経済にせよ、英文学にせよ、
学生の頃、過去のテクストを学ぶということ、
そういった積み重ねの果てに、終点まで行ったところに、
新しい研究が始まる、と思っていた。
大切なのは、過去のテクストから自分なりのコンテクストを
抜き出し、そのコンテクストが描く曲線の果てを見出し、
それを延長することなのである。
つまり、テクストの”読み”自身の中に、
後の研究の萌芽があるのである。
そうやってテクストはテクスト自身を延長し再生産して行く。
独立した点列のような知識だけでは、
いくら学んだところで、研究へと結び付くわけではない。
デジタルゲームの歴史というテクストをどう読めばいいだろうか?
デジタルゲームAIの過去をどう読めばいいだろうか?
人の数だけ読み方があり、その中の幾つかは、
未来へつながる”読み”なのである。