今月号の WEB+DB には坂上卓史さんの「ゲームルールの作り方」が掲載されています。
坂上さんは現役のアナログゲームのデザイナーで、デジタルゲームとアナログゲームの違いや、ゲームでキーとなる概念(おそらく自分でみつけるだけで数年は要するような)を平易に解説されています。
前半はコンセプトとキーワードですが、これだけでも、さまざまな着想が得られるでしょう。後半は一転して、実践的な内容で、ゲームコンセプトの作成、ゲームデザインの作成、そしてテストプレイを含めて完成へ至るまでの道のりを書かれています。
欲を言えば、第一章は「競り」「ブラフ」「交渉」「生産」などのキーワードを散りばめているので、具体的に代表的なゲームと写真があれば良かったと思うのですが、出すとそれぞれのゲームを説明しないといけないし、おそらく誌面やいろんな都合で省略せざるを得なかったのでしょう。
第二、三章は圧巻で、ご自身のリリースされた「ART OF WAR」というカードゲームを題材に、実際のゲームデザインの過程をつぶさに解説されています。このような実践的な過程、かつその製作者自体が記述される例は少なく、たいへん貴重な記述となっています。
また過程だけでなく、陥りがちな罠などに対する注意や、押さえなければならないポイントが明確に記述されていて、全体として実践的価値の高い記事となっています。一読されることをお薦めします。